[FF11] ヴァナ・ディールの歴史(1)


 伝説は、こうはじまる。
 すべての起こりは「石」だったのだ、と。
 遠い遠いむかし、
 おおきな美しき生ける石は、
 七色の輝きにて闇を追いはらい、
 世界を生命でみたし、
 偉大なる神々を生んだ。
 光に包まれた幸福な時代がつづき、
 やがて神々は眠りについた。
 世界の名は、ヴァナ・ディール…

ヴァナを冒険していると、その世界の姿が徐々に見えてきます。
そういうものに興味を持つのも楽しみのひとつです。
その世界の歴史がどういうものか(どういう設定なのか)。
それを理解していると、冒険もさらに楽しくなるのではないでしょうか。
ということで、ちょっとヴァナの歴史について考えてみます。
■ 太古の記憶

遠い、遠い昔のこと。このヴァナ・ディールの地に、神々の末裔たる古代の民が暮らしていました。彼らは、天空を駆け、金石と話し、草木を産み、それはそれは栄えていましたが、ある時ついに、神々が眠るという伝説の楽園に自分たちも入ろうと思いたち、神の扉に至る道を拓いてしまったのです。それを知った、楽園を守る番人はおおいに怒り、道を砕き、古代の民の国を海の底へ沈めてしまいました。
束の間めざめて、ヴァナ・ディールの荒廃した有り様を目の当たりにした女神アルタナは、たいそう悲しまれて、ぽろぽろと涙を五つこぼしました。その五つの涙から、新たな五つの生命が生まれました。それが、今日の我々のはじまりなのです。
ところがその様子を陰から見ていた男神プロマシアは、アルタナの所業をとがめ、人に呪いをかけて、互いに争うようにしてしまいました。さらには、新たに獣人を創ってヴァナ・ディールに解き放ち、人と獣人もが争うようにしたのです。人がもう二度と、神の扉を開くなどという大それたことを考えたりせぬように、と。
(ヴァナ・ディールガイドブックより)

“神々の末裔たる古代の民”というのは、ジラートミッションを進めていくと次第に明らかになってくるんですが、おそらく、ジラート人、及び、クリュー人のことだと思われます。この古代の民の技術力は高く、空を飛ぶ技術や、あらゆるものを練成する技術を持っていたとされています。
ジラート人は、ヴァナが創られたときから、クリスタルの力を利用して繁栄していた、とされていて、そのクリスタルの力を使って、ドールやゴーレムなどもつくり、また“アークカーディアン”もつくったといいます(これが、アークエンジェル=クリスタルの戦士かな)。
さらにジラート人は、クリスタルの力で浮遊島“トゥー・リア”を上空に浮かべ、その島の制御をデルクフの塔で行います。各地のクリスタルの力を一箇所(デルクフ)に集めるために“クリスタルライン”を建造して、トゥー・リアから“楽園の扉”を開こうとしました。ヴァナ各地に見られる何かの背骨のような大きな白い建造物がありますが、ジラートミッション中に、それが実は“クリスタルライン”だということがわかります(しかし、楽園の扉ってのは一体?)。
ジラート人のこの所業をみたクリュー人は、神に近づく行為をしてはならないとジラート人に警告します。そしてクリュー人は、ヴァナの北の地にあったクリスタル(クリスタルは全部で5つあった)を破壊。このとき、ジラート人は消え、クリスタルが破壊された北の地は不毛の大地と化したといいます(おそらく、現在のパルドニア地方周辺)。
クリュー人もその後衰退し、トンベリという種族へ退化していった…という流れのようですが、人間がどう退化してああなるんでしょうかね(´ω`)?(まぁ、それは置いておく)。ちなみに、“トンベリ”という名前は、クリュー人の科学者“グラビトン・ベリサーチ”を略したものだそうです。
ただ、ここでジラート人も全滅はしていなくて、そのあたりのエピソードは、プロマシアミッションで明かされていくみたいです。私はまだプロマシアミッションをあまり進めていないので、そのへんはよく分からず。ただ、ジュノ大公カムラナートは、ジラート人の末裔とされていますね。同じくエルドナーシュも、ジラート人で、カムラナートとエルドナーシュは兄弟ということになっています。
アルタナがこぼした5つの涙から5つの生命(種族)が生まれた…というのは、現在の、ヒューム、エルヴァーン、ガルカ、ミスラ、タルタルの5種族の起こりを語った神話のようなものと思われます。この背景に、何らかの科学的事実が存在するか、それとも、ヴァナではそれが実話なのかは、今の時点ではわかりません。(プロマシアで明かされていく?)
■ 獣の時代

しばらくは混沌とした暗黒時代が続き、力に優れた獣人たちがおおいに栄えました。また、彼らに対抗できる肉体を供えた亜人のガルカ族やミスラ族も数を増やし、各地で獣人と血で血を洗う果てしなき戦いを繰り広げていました。そこには、ただ混沌とした自然の摂理が全てでした。
人間の種族の中でも、身体の小さかったタルタル諸部族は、争いを嫌い、安住の地を求めて放浪を続けていましたが、やがて未知の大陸を発見すると、この地を『ウィンダス』と名づけ、定住するようになりました。
旅の終わりから数十年が過ぎたある日のこと、ウィンダスの周囲に点在する塔に迷い込んだ一人の少女が、天啓を受け、『魔法』と云う偉大なる力を会得しました。この力は、いつしかタルタル族全員に伝えられて急速に発達を遂げ、やがてウィンダスは全盛期『大魔法時代』を迎えることになりました。
(ヴァナ・ディールガイドブックより)

ガルカやミスラは“亜人”だったのですね(笑)まぁ、ストレートな人間ではないのは、見た目からわかるのですが…。
さて、人にあらず、獣人という存在がプロマシアによって造りだされるわけですが、この獣人というのは、ゴブリン(モブリン)族、オーク族、クゥダフ族、ヤグード族などの、各地に生息する人並みの知能を持った獣たちのことだと思われます。ただ、この明確ないきさつは現時点でよくわかっていません。
タルタル族の動向についてですが、彼らが現在のサルタバルタ(タルタル語で「約束の地」だそうです)に定住しはじめたのが、今から約1万年前。このとき、古代クリュー人が、他の種族に比較して小さく力のないタルタルをこの地へ導き、そしてホルトトの力(魔法?)を与えた、とされています。タルタルが魔法を発見した背景には、どうも古代人の糸引きがちらついているようです。
ウィンダス目の院の蔵書を紐解くと、ホルトトに関するさまざまな歴史をみることができます。今もウィンダス周辺に点在するホルトトの塔は、初代“星の神子”の時代から存在し、そこから発せられる魔法力によって多くの魔道書が書かれたこと。その魔道理論が遥かに先進的なこと。塔の構造様式や使用されている技術などから、ウィンダス以前の時代に、この地に先住民がいたことを匂わせています(これが古代クリュー人ということになるのかな)。
初代の星の神子というのは、ウィンダスミッションを進めていく中で明らかになっていきますが、リミララという少女です。「天啓を受ける」というのが具体的にどういうことか分かりませんが、おそらく、ホルトトにおいて、クリュー人から何らかの方法で魔法に関する知識を伝えられた、ということだと考えられます(このときCE.219年)。
■ 魔法の時代

魔法と云う『力』を得たタルタル諸部族は、より同盟を強固にし、『ウィンダス連邦』を成立させると、協力して現地の獣人ヤグードを征しました。魔法の偉大な力を独占し、精神的にも団結したタルタル族は、やがて繁栄の絶頂に達しました。
しかし、人の口に戸は立てられないもの。ある時、他の部族に秘儀が漏れてしまうと、瞬く間に他の人間や獣人にも魔法は普及していきました。
このことを悔いたタルタル族は、以後、古くから交流のあるミスラ族を除く、他の人間族との交流を断って鎖国的性格を強め、やがて文明的に取り残された時代遅れの国家となっていきました。
(ヴァナ・ディールガイドブックより)

CE.294年、当時の星の神子であるトゥククの下、ウィンダスは連邦制に移行します。この頃が魔法全盛時代で、タルタル族はその強大な魔法力によって、サルタバルタ地方に巣食っていた獣人ヤグードも抑え、ウィンダス連邦は魔法国家として繁栄を極めます。
この頃、大国サンドリアでは内戦が続いており、ゼプウェル島(リキュア、アルテパ)に文明を築いていたガルカも、巨大アリ族(アンティカ)の襲撃を受け、その都は陥落。そのガルカの一部は、現在のバストゥークへ移住を始めています。(バストゥーク自体は、この時代はまだ小国か、建国されていない状態?)
やがて、魔法の知識は、ウィンダス以外にも知られるところとなります。他国ばかりでなく、獣人ヤグードなどにも魔法力を行使されるようになると、その力の差がなくなり、かつての緊張状態に逆戻りすることに。ここから、ウィンダスは衰退の道を歩み始めます。
(つづく…)

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