とりあえず標準的なルートでクリア。
クロノトリガー
対応機種:ニンテンドーDS
CERO年齢区分:A
ジャンル: RPG
発売日:2008年11月20日
希望小売価格:4,800円(税抜)
プレイ人数 : 1人
1995年にSFCでオリジナル発売され、その後、1999年にPS版に移植(リメイク?)。今回はリメイク2度目なわけですが、基本的なゲーム本編はオリジナルそのまま。PS版で追加されたムービーはDS版にもあるんですが、これを見ない設定もできるようになってる。ムービーの良し悪しの意見も割れてましたからね。
あと、SFC版やPS版との違いといえば、追加ダンジョンがいくつかある。ボスやレアアイテムが追加されてるみたいなので、やり込み派な人には嬉しい要素。私はそれらの追加要素にまだ手を付けていないので、以下は、実質的にオリジナルのクロノの再評価ってことになります。
・・・これまた今更ですけどね。
ストーリー
評価 S
本作のストーリーは、ひとことでいえば時間を超えた冒険活劇。物語は、主人公のクロノが偶然時間マシンの実験に参加し、過去や未来へ行き来することになる。クロノは、仲間たちと共に異なる時代を旅しながら、世界を救う使命を果たす。彼らは過去の出来事を変えることで未来を改変し、さまざまなエイリアンの脅威や悪意ある勢力と戦っていくと。
ストーリーは、数々の時間旅行のパラドックスや、過去と未来の世界が互いに影響を与えるという独特の要素を取り入れていて、選択肢によって物語の進行や結末が変わるマルチエンディングになってます。
時間を超えたストーリーというのは、いろいろその話に破綻があったりするものだけど、そのへんクロノの筋書きは秀逸だと思う。というのは、大抵、時間を前後した流れであっても、過去、現在、未来というその世界情勢は固定されていて、例えば、過去に遡ってそこでどんなに大暴れしても、現代、未来の世界は変化がなかったりする。
それって本当は不自然なんですよね。でも、クロノの場合、過去で何かやらかしたら、それに応じて未来の世界もちゃんと変化してる。むしろ、そうしないと本編を進めることができない。時間の前後で何らかの操作をすることで積極的に世界を変えていく、というのが主なミッションになっている。時間旅行するSFのタブーを頭から破ってるんですよね。そして、それが面白い。
太陽石を原始時代の祠に置いてきて未来でそれを回収したり、中世で何かしたら、現代で砂漠だったところが森になってたり、そういう時間を使ったシナリオ構成は、本当に上手いと感じます。
グラフィック
評価 B
ドット絵なんですが、そのドット絵の完成度は高いと思います。
ただ、フィールドのミニマムキャラはもうちょっと手をかけても良かったんじゃないかと、今でも思ったり。マップがコンパクトなので移動が早いのは良いんですけどね。でも、あのミニマムも、もうクロノのアイデンティティみたいになってるので、それもまた良しなのか。
サウンド
評価 S
フィールドやイベントの曲、各キャラのテーマ曲など、それぞれが、その場、その状況にすごくマッチしてる。クロノの世界(の雰囲気、印象)はそれらの曲が創り出している、といっても良いかも。あと、戦闘BGMなんか、1フレーズはとても短いのに何度繰り返し聴いていても全く飽きない。ずっと聴いてたいくらい。
私個人の中では、クロノのBGMはゲーム音楽のトップクラス評価です。中でも「時の回廊」(古代文明のフィールドBGM)は私の中のお気に入り。これは DTMer がコピーする定番楽曲にもなっていて、今はいろんなアレンジが聴けるんですが、やっぱりスーファミのオリジナル音源のものが、初めて聴いたときの感動もあって忘れられません。これも永遠に聴いてたいくらい(笑)
バトル
評価 A
コマンド入力方式なので、RPGではオーソドックスな部類。ただ、ATBが採用されてるので、単純なターン制よりは臨場感がある感じ。やっぱり爽快なのは連携技かな。複数のキャラクターが特定の条件を満たすことで、協力して強力な連携攻撃を行うことができる。これを上手く駆使できれば、戦闘をより有利に進めることができる。
今でこそパーティメンバの連携技というのもいろんなゲームで一般的になりつつあるけど、95年当時でこのシステムは画期的だったはず。コマンド入力、ATBシステムを採るバトルの中では完成されてる方じゃないかと。
キャラクター
評価 A
マール、ルッカ、カエル、ロボ、魔王、全てのキャラが異なった特性を持っていて、それぞれの性格や個性もしっかり描写されている。何より、これだけ個性的なキャラがいるのに、個人的に嫌いなキャラが1人もいないんですよね。魔王でさえ交換が持てる。
あと、私の中で高評価なのは、主人公であるクロノの個性が控えめになってること。主人公はあくまでプレイヤーですからね。その個性が本編中で決められてしまうと「オレのイメージじゃない」と思うプレイヤーも中には出てくると思う。主人公の性格が前面に出された作品というのは、プレイヤーによって好き嫌いが割れるんですよね。
その意味で、RPGの主人公は没個性な方が無難。クロノは、私はこれで良いと思う。
ゲームシステム
評価 A
操作性は、SFC版、PS版からほとんど変わってないけど、DSではタッチパネルで操作できるようになってます。タッチ操作もできるし、クラシック操作モードを選択すれば、従来の操作性で楽しむこともできる。タッチパネルで、それぞれのメニューに一発でアクセスできるようになってるのは結構便利。
戦闘時も、カーソルでターゲットの敵を選ぶと、ターゲットミスが頻繁にあったりしたんだけど、それもタッチ指定できるようになってるので、タッチ操作に慣れれば、かなりストレスが低くなる。あと、PS版から引き継がれたムービーも実装されてるんだけど、そのムービー挿入の有無も選べる。
実は、クリア後に流れるムービーは、続編である「クロノクロス」への伏線になってるらしい。PS版が出たのはクロスの後なので、後付解釈が追加された感じなんですかね。これはかなり賛否が分かれてる。というより、否の意見の方が多勢みたい?それもあって、ムービーカットが選べるようになっているのは、そういうプレイヤーへの配慮かなと思います。
総評
評価 S
とにかく、今やっても面白いと思える。これは、実は結構すごいことだと思います。1995年のSFCのゲームですよ。それを、HD対応かつ3Dゲーム全盛の今の時代にやれば、どうしても見劣りしたり、比較評価でショボくみえたり、いつのまにか過去の栄光で想い出が美しくなってて、それとの比較で「あれ、こんなもんだったか?」となるゲームが大勢だと思うんだけど、クロノって、ほとんどそんな感じがなかったんですよね。
やはり名作!
何度やってもそう思えるゲームってそうはないと思う。DS版には、追加ダンジョンや闘技場などの従来バージョンになかった要素もあるので、クロノクオリティでそれらを楽しめる、というのもファンには嬉しいところかな。
そのうち暇ができたら、追加ダンジョンもやってみよう(そのうち…)