テイルズオブデスティニー(TOD)クリアです。
テイルズ オブ デスティニー – ディレィターズカット
対応機種:PlayStation 2
CERO年齢区分:A
ジャンル: RPG
発売日:2008年1月31日
希望小売価格:6,090円(税込)
プレイ人数 : 1人
オリジナルはPS向けに1997年12月に発売されてます。本作はそのPS2向けの2回目のリメイクということで、それだけ人気の高い作品ってことですかね。このDC版のオリジナルとの大きな違いは、本編が、主人公であるスタンを中心に話が進む従来の物語に加えて、本編の主要な人物であるリオンの視点から話を進めていくモード(?)が追加されてる、てことですかね。
今回クリアしたのはそのスタンサイドの方で、リオンサイドは未クリアです。まぁ、TODの評価をするにはスタンサイドだけで、とりあえず良いかなと。
ストーリー
評価 B
実はかなり奥行きがありそうな内容。かつて世界を2分したとされる“天地戦争”。それから大分時代を経て現代に至り、その戦争時代の遺物が、今の平和な世界に何か異変を起こそうとしている、と。そういう大きな背景設定もさることながら、TODの世界背景や、各国の成り立ちやその文化、政治経済のあり方なども設定が細かい。なるほど、これは続編が出そうな内容だなと思いました。(続編のTOD2が出てますね。)
ただ、最初から最後までストレートだったな、というのが、素直な感想。何というか「なるほど、そういうことだったか」という展開ではなくて、「やっぱりそうなのね」という展開がずっと続いた感じ。
これはこれで解りやすくて良いんですけど。せっかく世界設定が濃いのに、それが本編上の謎解きに乗り切れてないかな?という印象。うまくいえないんですが。これは、TOD2で活きてくるのか。
グラフィック
評価 B
HD全盛の今ゲー(そんな略あるか)の絵ではないというのは、まぁ仕方ないけど、それでもPS2のグラフィックではよくやってると思います。術技や魔法のエフェクトやブラストキャリバー(BC)の演出も派手で良い。
街やダンジョンエリアとフィールドでのキャラ絵が2Dと3Dで違うのは、このテイルズの流儀なんですかね。街やダンジョンでは視点固定の擬似3Dなんですが、特に見づらいということもなかったので(宝箱とかが物陰にあったりするのはワザトよね)そのへんの問題はなかったです。
サウンド
評価 A
街やダンジョンのBGMのバリエーションも多く、バトル曲も、物語深度によって変化していくので、頻繁な通常バトルも比較的飽きなくて良いです。曲そのものも、私の好みですね。
ただ、ラストバトルの曲がちっと薄味だったかな。あまり印象に残ってない。逆に、中ボスのバトル曲は結構印象に残りました。それを聴いた回数の問題かもしれませんが。そうでなくても、中ボスのBGMは今回私のお気に入りのひとつですね。
バトル
評価 B
ランダムエンカウント方式で、バトル自体は2DのLMBS。DC版(2度目のリメイク)で、この形に落ち着いてるということは、これはこれで完成形なんでしょう。後続の2Dテイルズのバトルは、およそこのTODのLMBSが踏襲されていくようだしね。ただ、術技を繰り出すのに消費するポイント(MP、TPの類)のシステムについては、どうやら作品ごとの特徴になっているようで、TODでは、チェイン・キャパ(CC)というやつがそれに相当するようです。これは消費してはすぐ回復を繰り返すので、いろんな技を遠慮なしにガンガン使っていけるというのが良いですね。
あと、2DのLMBSということで、私が最も心配したのがCPUキャラの前後認識だけど、これは(TOPみたいに)右が前、左が後ろ固定ではなく、ちゃんと敵と前衛(プレイヤー)との位置関係で、後衛は敵から離れるように動いてくれてたので、ひとまず安心でした。
ただ、攻撃のターゲットが固定できない、というのは、ちょっとストレスを感じたかも。どうも一番近い敵を殴るというのが仕様のようで、敵が密集してたり移動したりすると、さっきまでとは別のやつを殴ってたりするので、これは固定できるモードもあった方が良いかと。(TOHでは、固定できるようになってたはず)
キャラクター
評価 B
キャラ絵から想像したスタンの性格はもっとこうゴツイ感じかと思ったんだけど、実はヤサ男でした。いわゆるキレイごとを並べ立てるキャラだけど、そのへんはルーティやリオンなどの現実路線のツッコミで相殺されてる感じか。
ルーティはルーティで現実的過ぎだけど、これは逆にスタンのロマンチストさで調子を狂わされるという、まぁ良いコンビ。ただ、この2人の間に恋仲を見出せるかというと、あんまりそういう感じではない。スタンは、そもそも全くその気なしな感じだし、ルーティは、この男あり得ないみたいな感じだしで、後半でそういう話になっていくのがどうも唐突というか、不自然な感じがしました(個人的に)
本作では、このスタン、ルーティのほかに、あと8人(2人をあわせて総勢10人!)もパーティに加わる。このパーティキャラの多さも、テイルズの特徴といえば特徴なんでしょうけど、10人は多過ぎな気がする。物語としては、それぞれのキャラに背景設定があって、個性もしっかりあるんだけど、ことバトルメンバとしてみると、やっぱり役割が被るんですよね。DC版で新シナリオが追加されるまでになったリオンは、やっぱり(バトルメンバとしては)スタンとかぶるし、物理攻撃系では、コングマンとマリー、弓手としては、ウッドロウとチェルシーがいて、もっといえば、物理系前衛はスタンやリオンで事足りる。バトルに出せばそれなりに役に立ってくれますが、出さなきゃ出さないでなんとかやれるので、これだけ多いと、実際バトルに使わないキャラとか、やっぱり出てきちゃうんですよね。
ちなみに私の場合、コングマンはほぼ使いませんでした。使いどころが無かった。
ゲームシステム
評価 A
オリジナルは10年以上前の作品ですが、おそらくリメイクによって最近のテイルズのシステムも組み入れられてるんでしょうね。特筆すべき操作性の難はなかったです。至って快適。ワールドマップも1ボタン(R3)で開くし、そこから街を選択すると、その街のショップの売り物が確認できるのは嬉しいですね。あと、次に行くべき目的地が、そのマップ上で点滅表示されてるのも親切で良いと思う。
サブクエスト(イベント)に関しては、従来のRPGの通り各街エリアでNPCから依頼を受ける形だけど、そのNPCの頭上にシンボル「♪」が表示されてたりして、どいつがイベント発生トリガなのかが一目瞭然で解ってこれもGoodです。
謎解きなどの要素はほとんどなく、ストーリーに従ってとんとん拍子で話は進んでいきますね。ただ、だからヌルゲーというわけじゃなく、このTODの場合、戦闘がかなりシビアだと感じました。これは、2Dゆえの操作性に由来するものもあるけど、普通に敵が強いんですよね。というのが、相手にハメられるとガンガン押し込まれて、そのまま手も足も出ずやられるパターンが多い。逆に、こちらからハメれば優位に戦えるんだけど、それをはずされると、途端に形勢が逆転したりする。ある程度レベルが高くても、ザコ相手でもちょっと油断するとすぐ全滅します。いはんやボスバトルをや。
このラスボスは本当に強いです。適正レベルは大幅に超えてたはずなのに(クリア時レベルは60くらいとされるけど、私は68だった)それでもやっとこ勝てた感じですね。あと、ラストダンジョンは長過ぎ。
総評
評価 A
全体的には、きれいにまとまってる作品だと感じました。ストーリーはそこそこ面白いし、戦闘は一定の緊張感があるし(なめてるとすぐ死ねる)、ダンジョンにはそれぞれ面白い仕掛けがあるし、やってて飽きることがありません。文句なく良ゲーです。
シリーズの中でもTODがファン間で根強い人気がある(続編まで制作される)理由は、何となくわかりました。個人的には、あのラスボスが、もうちょっと前半でも、その存在を匂わせるような伏線があった方が、より「なるほど」感があって良かったんじゃないかなと。
話の後半になってやっとラスボスの名前が出てくるので、若干唐突な感じがあったんですよね。その点は、TOVのシナリオがよくできてたなと、改めて。