[FFCC] ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル クリスタルベアラー レビュー

巷では13が発売されて話題ですが、とりあえずこっちプレイ中だったので、こちらから。

ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル
クリスタルベアラー

対応機種:Wii
CERO年齢区分:B
ジャンル: アクションアドベンチャー
発売日:2009年11月12日
希望小売価格:7,340円(税込)
プレイ人数 : 1人

ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー | SQUARE ENIX
ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー

ストーリー

評価 B

正直いうと、ストーリーとなったら結局どういう話だったのかよくわからなかった。こういう世界観を堪能してくださいってことかな。世界としては、FFCC恒例の4種族で構成されていて、ただ、今回はユーク族は過去の戦争でリルティに破れて今は存在しない(?)扱いになってると。そのユークが今回世界に現れて悪事か善事かわからないが何かやろうとしている。基本的にそれを追っていく内容になってます。

で、クリスタルベアラーというのはこの世界にわずかに存在する異能者ってやつて、何か普通の人にはない特殊な力を持っているが、その力ゆえに普通の人からは蔑視されているというRPGではありがちな設定も背景にある。主人公はそんなベララーの1人で、その能力を使って様々なイベントをこなしていくという流れですかね。

メインストーリーそのものは、ちょっと短め。サブイベントとか何もしないでクリアだけ目指せば、多分1、2日くらいで最後までいけるかと。

グラフィック

評価 B

Wii なので、HDの他ハードに比べちゃうと劣るけど、それでもこの作品のグラフィックは綺麗だと思いました。イベントシーンもありますが、これはプリレンダのムービーになったりといった特別な変化ははなく、自動進行のカットシーンのようなものですね。

ちょっと気になったのは、操作する上でいろいろなポイントをWiiリモコンでターゲットしてつかむというアクションをする場面が多いゲームなんだけど、そのターゲットが操作キャラで隠れてしまうことが多い。操作キャラは当然ながら画面の中央にいるんだけど、ターゲットすべき場所も画面中央にもってくることが多いのでキャラの背中で隠れて見えねー状態。対策としては、画面の角度を変えてターゲットをキャラに対してやや斜めに狙ってつかむか、或いはカメラを主観にしてターゲットを捉えるとかちょっと工夫する必要がある。慣れてくれば自然とその操作ができるようになるか。

バランスとして、画面全体のサイズに対するキャラのサイズがちょっと大きい気はした。デフォで。

サウンド

評価 B

曲自体は良いと思いますが、バリエーションというか、曲数が少ない気はした。特にバトル(モンスターが沸く状態のフィールド)の曲はずっと同じ曲。地上と地下とでちょっと変わってる程度かな。フィールド曲は、一応地方ごとに変化させてあったか。悪くはないけど、印象的な曲があまりなかったかも。これは逆に、BGMとしては最適といえるのかも。

ちなみに、コンポーザには岩崎英則氏(本作が処女作?)、山崎良氏(サガフロンティア2 など)と共に、FF11(初期)を担当した谷岡久美氏も参加してますね。

バトル

評価 B

この作品のバトルはちょっと変わっていて、エンカウントしてバトルモードになるというのでもなければ、剣や魔法で相手をなぎ払っていくというものでもない。

まず、街以外の特定エリアの通常フィールドには「障気ストリーム」というものが出現している状態とそうじゃない状態の2パターンがあって、その障気が出ている間だけモンスターが出現する状態になる。で、モンスターをどうやって倒すかというと、基本は、投げる、モノをぶつける、のみ。剣で斬ったり叩いたり、魔法で燃やしたり凍らしたりそういうアクションは一切なし。(逆に、敵はそういうのをやってくる)

主人公の能力が、モノを引き寄せる磁石のような力なので、戦闘の方法もそうなるという感じ。あれ?どうやって倒すの?って最初思います。答えは、モンスター自身をつかんで投げ飛ばすか、そのへんにあるモノを拾ってモンスターに対して投げつけるか。これはやって慣れるしかないですね。

あと、そのエリアに出現しているモンスターを全滅させると「ミルラ」という最大ライフが増加するアイテムが出るんだけど、その障気(モンスター)が出ている時間が限られているので、終盤の戦闘ほど、時間内に全滅するのが難しくなってます。ただ、どの相手も何か早く倒せる方法が用意されてる感じで、普通に投げたりぶつけたりしてるだけじゃなかなか倒せない相手も、投げつけるモノによっては1発で倒せたりする。例えば、ボムは、普通にかなりタフですが、火の気のもの(焚木とか火薬樽とか)を投げつけると1発で自爆する、とかね。如何に効率的に素早く倒していくかがカギ。

キャラクター

評価 B

主人公レイルは調子の良い青年で、異能者(ベアラー)。FFCCって、没個性キャラタイプのRPGと思ってたけど、そういうわけでもないんですかね。レイル以外は、およそアウトローな感じのキャラが多い。シドとか、セルキーの盗賊女とか、レイルの相棒とか。というか、レイル自身アウトローだし。

全体として個性的なキャラ揃いだけど、悪玉に何のひねりもなかったので、ちょっと退屈だったかも。こいつ、どうみても悪玉だろう、と思っていたやつが、結局、最後まで悪玉でラスボスだったので。(人によっては感じ方も違うかもしれませんが)

ゲームシステム

評価 B

メニューはほとんど開かないんだけど、それを開くボタンが 1 ボタンというのが、ちょっと押しにくい感じはしました。+や-ボタンの方が位置的に押しやすかったかも。(1 はリモコンのちょっと下にあるので)ただ、メニューをつかう機会もあまりないのでそれほど難とは感じませんでしたね。

今回、装備はアクセサリ3種類とエンブレムだけなので、アイテム操作の煩雑さというのがそもそもないので、これはこれでシンプルで良い仕様だと思いました。このゲームはレベルという概念がないんですね。基本的に能力強化は、そのアクセサリ3種類(指輪とイヤリングとアミュレット)で行うようになってて、あとは、障気解消時のミルラによるライフアップですかね。RPGならいつも思い悩む、装備のつけ方とか組み合わせとか、レベルアップによる成長のさせ方の選択(あれば)とか、そういうところで考えるものがほぼないので、ゲーム自体に集中してかかれるお子様 or お年寄り仕様。

あと、プレイアブルというミニゲームのような要素がストーリーの要所要所で入ってくるけど、特にそれに好成績を収めなければ先に進めないということもなく、仮にバトルとかで倒されてもデスペナのようなものもない。失敗したら「もう一回」とかいって何度でもやり直せる。とにかく気楽に遊べるな、という感じですね。緊張感がないという意見もあるかもしれないけど、これはこれで Wii というハードのコンセプトにもマッチしてるのかな、という捉え方もできるかも。

やり込み要素としては、ゲーム中何か特別なことをやると「勲章」を取得できて、それを集めるとか、あとはプレイアブル(ミニゲーム)でハイスコアを目指すとか、そのへんになるのかな。収集要素としてはその「勲章」くらいなので、ヤリ込み派なRPGプレイヤーには物足りない内容かも。ただ、私には丁度いいです。

総評

評価 B

多分、このゲームはメインストーリーよりもサブイベントをどれだけやっていくかを楽しむゲームなんでしょう。モンスターも、全ての地方のモンスターを殲滅しなくてもクリア自体はできてしまうし、各地のいろいろな隠し情報(?)的な要素もあるみたいだけど、そういうのも一切手を出さなくてもクリアできてしまう。これはこれでアリではあるか。

ストーリー重視な私の観点から評価すると、やっぱりストーリーにももう少し重みをつけて欲しかったし、最後までクリアしても、結局レイルは何をやったのか、世界を救ったのか、昔ある姿に戻しただけなのか、よくわからないまま終わったって感じなんですよね。要は「リザレクション」って何だったんすかね?と。(あれ、ちょっとネタバレしてる?まぁ、大丈夫大丈夫)

この作品、FFという名前だけど、もうFFじゃないです。というか、最近の「FF」を冠する作品ってことごとくFFのアイデンティティないですね。もう別のタイトルつければいいのに、と思うんだけど「FF」とつくだけで買ってしまう私のような人も多いので(確かに「FF」とついてなければ購入対象ですらなかった)このネームバリューを着て売っちゃうんだろうなぁ。これもひとつの新たな作品との出逢いでもあるし、今後も懲りずに騙され続けるか。

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