アニメ化されるとか何とかで話題になってたので、ちょっとやってみたところハマってしまい私の中で話題騒然。
ダンガンロンパ1・2 Reload
対応機種:PSVita
CERO年齢区分:D
ジャンル: ハイスピード推理アクション
発売日:2013年10月10日
価格: パッケージ版 4,980円(税抜)
プレイ人数 : 1人
要は逆裁的な推理モノなんだけど、この作品はちょっと独特な世界観とシステムになっていました。
ダンガンロンパ1と2は、それぞれ単体でPSP向けに発売された作品なんですが、それらに追加要素を加えて2本まとめたのがこの作品。ハードもPSPからPSVitaになって画質も向上してますよと。とりあえず、評価は、S、A、B、C の4段階評価。例によっていずれも私の独断と偏見によるものなので悪しからず。ちょっとネタバレ含みますのでご注意。
ストーリー
評価 A
1も2も共通しているのは、主人公を含む高校生15人余りが入学と同時にいきなり希望ヶ峰学園という学園内に閉じ込められ、そこでお互いにコロシアイ(殺し合い)を強要されるという流れ。学園長はモノクマという白黒のクマのぬいぐるみみたいなやつで、そいつが主人公たちを閉じ込めた首謀者と思われる。主人公たち高校生は、皆何らかの分野で一流とされる人たちで”超高校級の”ナントカという肩書きをもっている。閉鎖された学園内で、彼らのうちの誰かが殺人を犯し、それを”学級裁判”という場で犯人(クロ)は誰かを議論してあぶり出す。そこで見事バレなければ、そのクロは学園を出ることができる。と、そんな設定。
1では、15人(+1)が学園に閉じ込められ、そこでコロシアイ。2でも、16人が学園…と思いきや、どこかの無人島?に閉じ込められ、やはりコロシアイを展開すると。
1と2の主人公や高校生としての登場キャラは違うけど、時系列としては1の続きとして2がある感じになってます。ぶっちゃけ全体のシナリオは無茶なものなんですが、こと殺人の犯人探しという推理部分のシナリオに関していえば、いずれのケースもわりと予測を裏切る展開で面白い。
前提として、仲間である同級生が殺人なんてするはずがないというところから、それでもアッサリ誰かが殺されてしまうという理不尽な展開だけでも意外性が突き抜けてます。殺される人も、殺しを犯してしまう人も、最初からその15~6人の誰かに限定されているにも関わらず常に意外なアイツが!まさか!な展開になる不思議。
キーワードとなる、”希望”と”絶望”の決着は、最近の作品らしく曖昧なままというか、あえてプレイヤーに判断を任せるようなものだったりするのだけど、ガッカリな展開というのではなく、まぁアリか、と思えたのでこれはこれでこの作品の趣きなんだろうと。
グラフィック
評価 A
推理ものなので、美麗なムービーを見せるでもなく、なめらかな3D映像だったりド派手なアクションなんてのはなし。キャラクターも平面印刷で紙芝居っぽい演出になってるので、超絶グラフィックという方向では勝負してない感じ。逆にあまりリアル調にするとヤバめの内容ではあるし、ダンガンロンパというゲームの雰囲気にマッチした画作りなのかなと思います。むしろ、この絵だからこそのダンガンロンパ、であるともいえる。
サウンド
評価 A
音楽はわりと好き。サイバーパンクというか、テクノっぽい独特のBGM。これもグラフィック同様ダンガンロンパの世界観に凄く合ってる。…というか、このBGMがダンロンの世界観をつくっているといっても良いくらい主張の強い曲が多いかな。
特に、コトある度に流れるモノクマのテーマはプレイ後もしばらく脳内でループするくらい印象に残るっていう。1も2も、EXTRAモードに音楽プレイヤーがあるので、音楽だけそこで聴いて楽しむこともできますね。
キャラクター
評価 A
いずれも超高校級の何かであるだけに、自己主張の強いキャラ揃い。1、2共に一番キャラが薄いのは主人公でしょうね。
1は苗木誠。平凡そのものの高校生だけど、本来超高校級の高校生しか入れない希望ヶ峰学園に運良く入学できたという、超高校級の幸運の持ち主(?)
2は日向創。彼も同様に平凡な子っぽいけど、そんな彼がこの学園に入れた理由は2のメインストーリーにも関わってたりするようなしないような。
彼ら以外のキャラは、常識破りな設定ばかり。1の場合は、超高校級の御曹司、超高校級の野球選手、超高校級のスイマー、超高校級の暴走族、超高校級のプログラマー…などなど、超高校級というより、普通に人として飛び抜けてる感じ。2の場合は、超高校級の飼育係、超高校級の保健委員、超高校級の軽音部みたいな、高校の中で突き抜けてる感の人?かと思えば、超高校級の王女とかヤクザとかもいたりでもうカオス。そういう彼らの能力が議論の論点になったりもするので、そんなの普通ねーよッていうダンガンロンパだからこその推理も多分にあります。
この世界だから通じる常識(?)で考えましょうという誘導の意味でも超高校級のナントカっていうキャラは重要な色付けなんですね。
推理アクション
評価 A
ここはRPGの場合は「バトル」評価にあたる部分ですが、ダンロンでは”学級裁判”に纏わる一連の議論アクションってことで。
システムとしては、まず(非)日常編で学園内の調査とか仲間同士の交流といった時間がある。ひとしきりしたあと殺人が発生し、その捜査が始まる。そこで事件のさまざまな証拠を”コトダマ”として収集していく。捜査が終わると、学級裁判となり、誰がその犯人かを議論する…といった流れ。
その最後の学級裁判の議論では、他の人が話す内容についておかしなところや証拠”コトダマ”と違うことを言ってたりしたら、その言葉に対してコトダマをぶつけて論破していくと。
そう、コトダマが弾丸で、それで論破するから、ダンガンロンパ。
この論破の瞬間は爽快ですね。逆裁でもムジュンを指摘したときに感じる爽快さがありますが、これもほぼ同じ感覚。この議論での論破の他に、いくつかミニゲーム的な要素もある。状況に合う言葉を思い出す、閃きアナグラム(パズル?)だとか、何故かリズムに合わせて論破していくトークバトル(音ゲ?)だとか。
2にはこの要素がさらに追加、修正されてるけど、難易度は1より2の方が数段上がっていて難しい印象でした。
総評
評価 A
これは、率直に面白いです。無茶苦茶だけど、なぜか面白いです。思ったのは、あの作品の主役は、実はモノクマですね。何というか、あのシナリオを書いた人のメッセージの多くはほぼモノクマのセリフに集約されている気がする。ただ、それだと救いがなくなるので、そうではない可能性を”希望”という形でプレイヤー側に寄せて”絶望”という名の現実を論破していくという構成か。
実は、理不尽で絶望に満ちているのが現実社会。それが具現化、人格化、クマ格化したのがモノクマ。
モノクマ劇場とか、実はみんな正論なんですよね。感情論で否定したくはなるけど、実はその通りな話じゃないか。そんな理不尽な現実、そんなねじ曲がった正論を打ち破って、その先に希望を見出してくださいという話なのかもしれません。それすらモノクマに「大甘だよ」と皮肉られそうですが。