[FF11] 引退について考える

FFXIのサービスも、2002年5月に開始されて以来、
今年で丸3年を迎えているわけですが、
ここにきてベテランプレイヤーたちが、
次々とヴァナを去っているという現状があります。
それはなぜか?
今回はこれについてちょっと考えてみます。
○引退理由あれこれ
私は「FFXIをやめる」といって去っていった人に、
必ずその理由を聞くのですが、
その事情は一貫していなくて様々です。
実際に聞いた例を挙げると…
・実社会の仕事が忙しくなった(或いは長期出張)
・逆に仕事を辞めた(→就職活動しなければならない)
・子供ができた(→子育ての為)
・家族に不幸があった(ゲームどころではなくなった)
・疲れた、飽きた等の心情的理由
など。
仕事が忙しくなって、ゲームやってるヒマがない、
というのは、まぁしょうがないです。
これが私が聞いた理由の中で一番多いかな…。
長期出張なども含みます。
子供ができて、子育てに忙しくなった、
或いは、子育てに集中したいから、
とりあえずゲームはやめておく、
という人は、むしろあるべき姿でしょうね。
逆に、子供そっちのけでゲームしてる人の方が、
人間的にちょっとマズかろうと。
家族に不幸があったから、というのは、
それでもゲームできる境遇はあるんだけど、
精神的な問題だろうなと思います。
ゲームやってるどころじゃないんでしょう。
素直にお察しします。
で、疲れた、飽きた…てやつ。
それで他のオンラインゲームに行く人もいるし、
逆に、他のゲームにハマったからFFXIは放置、
という人も多いと思います。
この最後の例について、もうちょっと考えてみましょうか。
○FFXIは面白いのか
そもそも、FFXIをやっているからには、
そこに何らかの面白さ、楽しさを見ているからでしょう。
その“面白さ”を感じるポイントも、
人によって様々ではないかと思いますが、
こうしたMMOに特徴的なのは、
かなり長期に渡ってプレイしている人が多い、
ということです。
普通のオフラインゲームなら、
大体1ヶ月もやれば、ゲームをクリアできたり、
若しくは飽きたり、難しすぎて断念したり、
という感じでやめるものだと思います。
しかし、FFXIのようなMMOは、
まずクリアという概念がなく、話は延々続くと。
しかも、バージョンアップでゲームの内容が逐次変わって、
そこで飽きさせない工夫が凝らされる。
また、ゲームの内容も、深くやり込む廃なプレイヤーから、
軽く遊ぶ程度の一般のプレイヤーまで、
結構幅広く許容できるものだと思います。
ということで、様々なレベルのプレイヤーが、
2年も3年も同じゲームで遊び続けることができる、と。
ゲーム内容もさることながら、
もうひとつ大きな特徴を挙げるとするなら、
MMOは、一種のコミュニティである、という点です。
人が多く集まれば、そこには仲間ができます。
同じ仮想世界の中で冒険をしていく仲間同士で、
いろいろ助け合ったり、情報交換しあったり、
ゲームに関係ない雑談もしたりで、それも長く続けば、
結構気心も知れてくるわけです。
そういう仲間と一緒に遊べる、というのも、
FFXIを長く続けられる大きな要素ではないかと。
○なぜ面白いと感じなくなるのか
他のゲームにハマたっとか、他の趣味ができたとか、
そういう理由を除いて、
純粋にFFXIが面白くなくなる、
という理由にはどういうものがあるのか。
ひとつは、バージョンアップによる負の影響があります。
バージョンアップによる仕様追加、変更は、
全てのプレイヤーにとって歓迎されるものではない、
というのは、おそらく現実です。
変更後の仕様が、一部のプレイヤーにとっては
受け入れられないものだったりもするでしょう。
特にそれを生き甲斐にしていたものが、
変更によってチャラになったりすると致命的です。
なるべくそのようなことは避けられているかもしれませんが、
不正プレイ防止策として、
時にはそのような仕様変更も施されたりするでしょう。
最近の例でいえば、“釣り”の仕様変更です。
釣りは、スキルが上がれば、
再度竿を振れるまでの時間が短縮されていましたが、
仕様変更によって、
その時間は、スキルに関係なく一定になりました。
また、釣れる魚の店売り価格も半額にされています。
この仕様変更は、いわゆる“寝釣り”対策のひとつとして
導入されたのだと考えられますが、
従来の真っ当な釣り人たちにとって、
必ずしも良い仕様変更ではなかったようです。
また、MMOの大きな要素であるコミュニティ性が
仇となる場合もあります。
コミュニティというのは、人との付き合いで成り立ちます。
その人たちと仲が良いうちは問題ないのですが、
ちょっとしたことで諍いが生まれることもあります。
これは、現実社会でも同じことですよね。
現実社会の場合は、例えば職場などで、
人付き合いが辛くなったと感じたからといって
安易に職場放棄するわけにもいきませんが、
ゲームは、やめてしまえばすみます。
大抵の場合、仮想世界の中で、
長期に渡って築いてきた様々な財産もあるので、
そう簡単にやめちゃおうとは思わないでしょうけど、
それを超越して人付き合いが辛くなったら、
やはりやめるのが一番得策といえます。
また、特に人との関係が悪いわけではないけど、
そういう付き合いに疲れてしまう人もいます。
表面上は良い関係を保っているように見えても、
実は、ゲームを続ける為にそう装って、
無理に付き合っている人もいるかもしれません。
そういう人も、ある限界までくれば、
やめよう、と思うのはごく自然の流れでしょう。
○やめるきっかけ
FFXIを続けている人の中でも、
そろそろやめようか、と思っている人はいるでしょう。
このままでは、実生活がヤバいだろう、とか、
そろそろ疲れてきた、とか、理由もいろいろでしょうけど。
そういう引退予備軍も、
なかなかやめるきっかけがなくてズルズルと惰性で、
むしろそれが日常生活になっている感じで、
なんとなく続けている、という人は多いように思います。
それでもやめない理由は、
やめることで、2年も3年も続けてきたことが
否定されてしまうことへの恐れ、
せっかく育てたキャラデータがもったいない、
ゲームは飽きたけど仲の良い人がいるから、
などの理由があるでしょう。
それが、ここにきて大量に引退者が出ています。
引退者が出る時期というのは、
大きなバージョンアップがある時期と重なる傾向があります。
それはなぜかというと、
やはり、その仕様変更が受け入れられない人がいること、
また、期待された仕様変更ではなかったという人がいること、
そういった人たちが、
この機会に引退してしまうからだと考えられます。
しかし、そんな中でも、特に今回引退者が多いのは、
これは多くの人が感じていることだと思うのだけど、
RMTの横行が原因ではないか、と。
いわゆる“中華”問題ですね。
最近は10万ギルが300円程度で取引されているらしく、
安易なRMT利用者がそういうところからギルを買い取る…。
多分、そういう商売が成り立っているということは、
その利用者は一人や二人ではない…。
だから、真っ当に一生懸命ギルを稼いでも、
その価値は日々下落して急速にインフレを続ける…。
なので、買いたいモノがいつまで経っても買えない…。
加えて、主な収入源となり得る市場や狩り場は
そうした“中華”に独占されている状態…。
こういった状況を良しとしている人は少ないはずです。
当然、これにウンザリしてやめようと思う人も多いでしょう。
今まさにその不満がピークに達していて、
このバージョンアップをきっかけに誰かがやめると、
その人と仲の良い人もやめて、その周りもという具合に、
次々と雪だるま式に引退者が出ているのではないか、
と予想するのですが、どうでしょう。
○引退続出に歯止めを
サービス提供側も、引退者が続くということは、
収入源である会員数を減らすということで、
決して好ましい状況ではないはずです。
しかし、RMTというのは、ゲームとは関係ない所で
リアルマネーと情報との交換が行われているわけで、
ゲーム内に閉じた規制を加えるだけでは取締りが難しく、
なかなか抜本的な対策が打てないのが現実です。
ゲーム内で、
おそらくそれと思われるプレイヤーがいたとしても、
一般のプレイヤーと区別する術がないのですね。
私は“中華”です!といって作業をしている中華はいません。
24時間同じ場所で狩りをしているプレイヤーがいても、
もしかすると、ただの廃プレイヤーなのかもしれない…。
そういうことをすれば、無限にギルを引き出せてしまう
という、そもそもの仕様が欠陥なのかもしれませんが、
これはFFXIに限った問題ではなく、
FFXI以外の多くのMMOでもRMTが問題になっているあたりは、
おそらくシステムとして避けようがない慢性問題なのか、
という気もします。
つまり、ギルを稼ぐ手段を制限してしまうと、
一般プレイヤーに対する制限にもなるため、
ギル稼ぎ自体は、基本的に自由でなければならない。
しかし、自由にしすぎるとRMTを助長してしまう。
この葛藤ですね。
今、スクエニがとっている対策としては、
・NMがPOPする位置や条件の変更
・Ex属性、Rare属性のアイテムの増加
・釣りの仕様変更
・従来の高価なアイテムの値下げ
・レベル制限エリアの追加
あたりでしょうか。
NMがPOPする位置が散逸すれば、
1箇所に張り付くことではNMを取りにくくなる。
Ex属性のアイテムは譲渡不可な為、市場に影響しない。
Rare属性のアイテムは、1度に1つ以上所持できない。
ツール使用などで釣りができなくなった。
アストラルリングなどの価値を下げれば、
それを糧に稼ぐ効率を下げることができる。
レベル制限エリアでは、
格下の敵でも容易に倒せない…。
どれも、緩和の効果はあると思いますが、
残念ながら根本的解決には至ってはいません。
○結句
最後はRMTの話になっちゃいましたが…。
RMTは、これからも直面していく問題なので、
また別の記事で考えてみたいと思ってます。
引退について、ですね。
やめる要因は、多分上に書いた以外にもいろいろあるでしょう。
ただ、一旦やめた人でも、再び戻ってくる人もいます。
それは、ゲームを求めて、というより、
かつて自分がそこにいたコミュニティに戻りたい、
という色合いが強いように思うのですね。
懐かしい人にまた会いたい、という素直な気持ち。
それがなければ、
おそらく戻ろうとは思わないんじゃないかな。
ゲーム自体に不満を感じてやめた人でも、
そういう気持ち(想い出)が残っている人は、
まだ気持ちは引退してはいないんじゃないか、と、
私などは思いますけどね。

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