とりあえずクリア。なかなか苦難の旅でした。
インフィニットアンディスカバリー
対応機種:Xbox360
CERO年齢区分:B
ジャンル: RPG
発売日:2008年9月11日
希望小売価格:7,800円(税込8,190円)
プレイ人数 : 1人
ストーリー
評価 B
「月印(ルナグラム)」によって人々が繁栄していた世界で、封印軍の「闇公子」と呼ばれる者の手によって、鎖で月を地に繋ぎ止める事件が発生。この鎖を断ち切ることができるのは英雄シグムントのみ。そのシグムントが敵軍の手に落ち投獄されたという。その情報を得た解放軍のアーヤはシグムント救出のために地下牢に潜入したが、そこにいたのは、英雄シグムントによく似たカペルという旅芸人であった。
……と、こんな感じで物語が始まるのだけど、そのカペルという旅芸人が本作の主人公。いわばニセ英雄みたいな立ち位置からの始まるのだけど、解放軍(アーヤ)に助けられ、封印軍との戦いに巻き込まれていく中で、カペル自身も実はタダモノではないということが判明してくる、という凡人から人外(?)への出世ストーリーな感じですね。
ただ、最後までやってみて、個人的に納得いかない、或いはよくわからない点はいくつかあり。例えば、なぜ月が鎖で縛られたのか。その理由、目的が最後まで不明。レオニードの素性が不詳(メインストーリーだけでは)。レオニードがカサンドラを救済した理由がわからない。結局、封印軍というのはカサンドラ軍なの?月の雨が各地で降り始めた理由が不明。カペル生還の謎。などなど、未回収のあれこれがわりとある。
主人公が、最初は低く見られてるけど、実は隠れたスーパーマンというこの展開は、個人的に大好物です。ただ、カペルが覚醒してから最終盤までに回収すべき伏線がいっぱい残ってたように感じてしまったので(あくまで私の好みなんですが)諸手を挙げて評価、というわけにはいきませんでした。
グラフィック
評価 A
グラフィックは秀逸ですね。美しくて広大なフィールドを走りまわるのも、最初はそれだけでワクワク感がありました。ただ慣れてくると、本作のフィールドは広過ぎて、むしろ移動が億劫にはなってきましたが。
イベントはプリレンダのムービーではなく、リアルタイムなカットシーンが中心だと思うんですが、そもそもリアルタイム描画が綺麗なので、不自然にグラフィックが切り替わらない分、シームレスで自然にイベントを見ることもできました。
月の雨が降り出すと、ちょっと光が眩しいな、と感じましたが、気になったのはそのくらいかな。眩しくなるのもそういう演出なんでしょうし。
ちなみに、一部箇所を除いてカメラ位置は縦横360度動かすことができますね。これは大きなポイント。最近のフル3Dのゲームでこれができるできないではだいぶストレスの感じ方が違います。あと、カメラも順方向逆方向切り替え可能。これは最近は必須設定かもですね。
サウンド
評価 A
音楽担当はテイルズシリーズ、スターオーシャンシリーズでおなじみの桜庭統さんですね。SOはトライエース開発だし、本作もそうなので、作曲はきっとそうなってるかなーと思ってたら、やっぱりそうでしたっていう。
全体に重厚感があるオーケストラな印象。テイルズが全体的にトランスというかロック調なのに対して、こちらはどっしりしたクラシックという感じ。下から盛り上がってくるような曲が多いなと感じました。1フレーズが長いので、そのまま曲だけ聴いてても、なかなかに聴き応えありますね。
バトル
評価 B
本作のバトルは、フィールドの敵とエンカウントして戦う通常バトルと、一定の条件を達成すると勝利するシチュエーションバトルの2パターンがありますね。
まず通常バトルですが、これはコマンド選択方式のターン制ではなく、リアルタイムなアクションバトル。シンボルエンカウントなんだけど、バトルモードに切り替えはなく、フィールド上でシームレスにバトルに移行する。このバトルはフィールドでそのまま戦うので、周囲にさらに敵がいる場合はリンクしてきたりする。そういう気を使いながら戦う必要はる。
そしてシチュエーションバトル。これは敵とのバトルというより、時間内に条件を達成すればクリアというようなイベント。投石機を使って城門を壊したり、時間内に人を救出したり、みたいな。それらを好成績でクリアすれば、報酬のアイテムや経験値が多くもらえたりする。ただ、最初は要領を得ないので、わけもわからないまま失敗になって何度もゲームオーバーになるというのもあるあるですね。
どちらも、ちょっと難易度は高めかもしれない。フィールド上でのバトルは、場所をちゃんと選ばないと、敵がどんどんリンクしてきてタコ殴りにされたりするしね。
UI面で気になったのは、バトル中、仲間のステータスが見づらい。あと、アイテムが使いづらい。バトル中に一覧からアイテムを選択とか時間かかり過ぎ。本作はメニュー開いてる間もポーズがかからないので、アイテム選択でもたついてると、その間も敵にボコられちゃうのよね。これはショートカットか何かつくるべき。
あと、カペルは笛吹きということで、笛で様々な効果をつけるという要素があるんですが、正直チノチカ以外の笛あんまり使わなかった。あえて使った曲はヘルド戦でハマノハくらい。それ以外の曲はほとんど使わず。せっかく笛という要素を入れたんだから、もう少し使えても良かったのでは。
キャラクター
評価 B
ストーリーの本質は世界を救うRPGなんですが、カペルとアーヤのラブコメ、みたいなところもあるのかなと。アーヤがカペルを英雄と間違えて救い出す、という出会いからして、なかなかのラブコメじゃないですか。
他もみんな個性豊かにキャラ付けされてるので、見ていて飽きませんでした。シグムントはいい男だし、エドアルドはヘイト溜めてからの改心というデレを決めてくるし、コマチとトーマのボケツッコミも好きだし、というか、ドジっ子コマチは大好きです。はい。
他にも登場キャラ多過ぎて覚えきれてないけど、没個性にならず、かといって狙い過ぎずで、NPC含め丁度いい感じのデザインだったと思います。
ゲームシステム
評価 C
本作はフィールド、ダンジョン、街というエリアの区別がない。バトルもそうですね。全て同じフィールド上でシームレスというのが特徴のひとつ。これは他作品もやろうとして断念したシステム(FF10だったかでやろうとした?)と聞いたことがあるので、地味に画期的なことなのかもしれません。
ただ、そのマップがかなり広い。かつ、移動手段は基本的に徒歩のみなので、移動が億劫でしょうがない。全フィールドシームレスは良いのだけど、それならエリア間をワープできるような仕組みをつくるか、でなければもう少しコンパクトなマップにして欲しかったかも。
そしてサブイベントがパシリばっかり。所詮RPGのイベントなんてパシリなんですが。それにしても、あの街の誰それにコレを届けてとか、なにがしを探してきてくれとか、そんなパターン過ぎ。何がだるいって、上記の通りマップが広いから、移動がかったるくてしょうがない。
そのサブイベントも、期間限定が多過ぎ。話が進むと消化できなくなるイベントが多いので、気にし出すと本編をなかなか進められない。でも、パシリイベントばかりで萎えるというループで、だんだん疲れてくるんですよね。
あと、アイテムクリエイション(IC)の要素があるんですが、このICにもレベルがあるのを忘れがち。こまめにICをやってレベル上げしておくのが良いなと思いました。ちなみに、カペルのストーカーのファイーナが素材をいろいろ売ってるし、ホースフーフICは儲かる(原価650Fol→売却で2500Fol)ので、そのへんで上げていくと良いかと。
総評
評価 B
やっぱりこのゲーム、基本的に難易度高いと感じました。マップが広いからどうしても移動が中心になる上に、モンスター遭遇率も高い(ちょっと離れるとすぐに沸く)ので、ゲーム進行に時間ばかりかかる気がする。こんなに移動するゲームなら、何か透明になる(エンカウントしなくなる)魔法か薬が欲しかったですね。
バトルは、油断するとすぐ全滅する。臨場感あるのは良いんですけどね。あと、同行者があまり活躍できないのもちょっと残念な点。どうせなら全部PT可能キャラにすれば良いのになと。
ゲーム性としても、従来のRPGにありがちな終盤になるとレベルも上がりまくり、持ち金も溢れて楽勝、ということはあまりなく、最後までそれなりに緊張感はある。
なんか不平ばっかりですが、ゲーム自体のデキはそんなに悪くないとは思う(あくまで私の中で)。ストーリーは、RPGのモチベ維持に必須である「次を見たい」と思わせる演出はしっかりあったと思う。広大過ぎるフィールドを駆け巡ることが楽しめる人なら、すこぶる良ゲーではなでしょうか(そんな人がもしいるならば)
クリア後のダンジョンみたいなものもあるっぽいので、それは機会をみてやってみるとします。