さて、スターオーシャン4、クリアしました。
STAR OCEAN 4 – THE LAST HOPE
対応機種:Xbox360
CERO年齢区分:B
ジャンル: RPG
発売日:2009年2月19日
希望小売価格:8,925円(税込)
プレイ人数 : 1人
ストーリー
評価 A
大きなテーマは宇宙と生命、かな。この手の話は、あまり理屈こねられるとちゃちになるというか、ウソっぽくなるものだけど、SO4のそれは上手くまとまってたんじゃないかな、と思いました。宇宙の進化のあり方に対する立場が主人公側といわゆるラスボス側で対立するという構図ですね。それに関する主人公の考え方の変化を、物語を進めていく中で上手く描けていたんじゃないか。途中にはってる伏線も、物語ラストに抜かりなく繋がってるので、全体としては上手くまとまってると思いました。
ただ、個人的にちょっとひかかったのは、主人公エッジが、何だか最初から剣の達人で勇気も度量もある勇者?みたいな存在とみられていたことに違和感がある。厳密には、フェイズからみたエッジ、ですかね。エッジ自身は友人のクロウに対して劣等感を抱いていて、ちょっと卑屈なイメージで始まったと思ってたら、なぜかフェイズからは、初対面から尊敬の眼差しが向けられているような気がした、ってことですが。
だって、いきなり敵に襲われたときの初戦で、エッジは作業用カッターを拾って殴ってたんですよ。そんなエッジがなぜ剣の達人にみえたのか、説得力がいまいち。細かいことかもしれませんが。
グラフィック
評価 A
最近のHD対応のゲームで、グラフィックにB評価以下をつけることはまずないんですが。今回は迷ってA。やっぱりその、キャラのお人形さんっぷりが最初から違和感ありまして。まぁやっていくうちに、これはこれで慣れていくわけですけど。
エンディングでちょっと気合入った映像になる場面があるんだけど、そのときのレイミの顔グラはすごい自然な感じだったのよね。オイッ、本編全部それでやってよ!と最後に突っ込んでしまった。エンディングはプリレンダだから、そのグラフィックにできたってことなのか。でも、リアルタイムでも質感を変えるだけだし、やれなくはないと思うんだけど、これはシロウト考えなんだろうか。
ただ、全体的にグラフィックは秀逸です。キャラの顔以外はね。
あと、カメラ位置も全方向360度カバーできてるし、回転方向もカスタマイズできるので、操作上の問題もありませんでした。
サウンド
評価 A
BGMも心地よく、効果音も問題なし。コンポーザは桜庭統さんですね。桜庭さんはテイルズシリーズの音楽も担当していて、それを考えても、SOってテイルズ風味ですね。そういえば、一部、SO1の曲が使われてました。
惑星ロークはSO1の舞台だったんですが、その街のBGMはどっかで聴いたことあるなと思ってたら、SO1の曲と同じでした。といいつつ、私はSO1も途中までしかやってないので、それしかわからなかったんですが、他にも前作の曲が使われてたかもしれません。
バトル
評価 B
バトルシステムは、3Dテイルズとほぼ同じ。SO4独自の要素として、サイトアウトとボーナスボードというやつがあるんですが、これらに関してちょっと文句をいってみる。
まず、サイトアウト。相手の視界から消えてクリティカルを狙える、とこれ自体は面白い要素だと思います。ただ、相手によってはサイトアウトを見破るやつもいるんですよね。その場合、サイトアウトのアイコンが変わるんだけど(成功すると「!?」と出るけど、失敗だと「!」と出る)失敗アイコンが出たとき、それをキャンセルできないというのが、とても悔しい。
つまり「!」が出たとき、カウンター食らうことを事前に分かっていながら飛び込んでしまうしかない。BEAT.Sのスキルにダブルサイトアウトというサイトアウト中にさらにサイトアウトできるというやつがあるんだけど、逆にいえば、それをつけないと下手にサイトアウトできないってこと。これはこれでリスクをみて戦略を立てろってことなのか。
あと、ボーナスボード。これがどんどんたまっていくのは楽しいんだけど、この状態がセーブできないんですよね。せっせと経験値150%ボーナスの状態にして、ゲームを一旦セーブして昼ごはん食べてきて、帰ってきて再開したらボーナスボードは空っぽという悲劇。また溜めればいいわけですが、この程度はセーブできても良いものじゃないかなと思った。
それと、ターゲットの方法ですが、SO4の場合、一番近い敵を自動でターゲットするという仕様なんですよね。これ、事前にターゲット選択できるテイルズ(主にTOVですが)に慣れてると、ちょっともどかしい。俺が殴りたいのはそいつじゃない!ということが多々。その場合は目的のやつのところまで走っていけば良いって話なんだけど、補助的な機能としてロックするターゲットをカーソルか名前かで選べてもよかったんじゃないか。
全体的には、操作自体は簡単だし、バトル中のメニュー操作も直感的に分かりやすいし、技を出すのもトリガーひとつなので、手軽に爽快バトルが楽しめるという点は評価できます。
キャラクター
評価 A
エッジとレイミは、正統派ヒーローに正統派ヒロイン、もうそのまんまって感じですね。その他のキャラは、それぞれに個性があって、いずれも好感が持てます。ただ、それが悪いというのではないんだけど、ちょっと趣味が強すぎるキャラが多いかな、と。なんていうか、そっち系の典型多過ぎ?ロリとか、ネコ耳とか、メガネ娘とか。どのキャラのことをいってるのか、やればわかります。嫌いじゃないですよ。嫌いじゃないんですけど、それ見てニヤニヤしてる自分が許せなくなるというか。いや、ニヤニヤしてないよ!多分。
ゲームシステム
評価 C
キャンプメニューは使いやすい。育成システムも、クエスト授受も分かりやすいし、アイテムクリエイションもそれほど複雑じゃない。ダンジョンの謎解きも無理なく妥当なレベル。PAで各キャラの感情値を上げるとそのキャラに対応するエンディングが追加されるというのも面白いと思いました。(これは実績にもなってます)
ちなみに、PAは見逃しやすいので注意ですね。パーティメンバと話す機会があったら逃さないのがミソ。それとピックポケットね。やり過ぎないこと。個人的には、ピックポケットは面白すぎるので、感情値には関わらないで欲しかったんですけどね。まぁ、そこは常識的に関係してくるってことで。
あと、欲をいうなら、魔法のショートカットを作って欲しかったとか、メニューのカテゴリ分けに違和感があるとか(装備がアイテムのサブメニューなのは違和感あり、等)場所を選ばずICできて良いんじゃないかとか(実際は宇宙船カルナスに戻らないとICできない)マップはもうちょっとコンパクトな方が良いとか、ミニマップに索敵機能があっても良いじゃないかとか(採取、採掘、宝箱はスキルで表示できるのに)本当はいろいろいいたいこともあるんですが、それをいい出すときりがないですからね。いっちゃったけど。
とりあえず、難解なシステムでないってことと、使い勝手として悪くない、不自由はないってことで、比較的良システムなんじゃないかと思います。
そう、仕様は良かった。問題はバグです。このSO4には、とても大きな問題がある。それは、バトル終了時、ときどきフリーズする!
フリーズすると、コントローラはジャガイモボタンすら効かなくなり、あとは本体の電源をプチッとやるしかない。もうね、バトルのたびにヒヤヒヤものです。セーブしてれば問題ないとも思えるけど、セーブポイントが長いことないダンジョンになると、後半はバトル自体が怖くて仕方ないですね。最大の敵はフリーズ。
どうやら、「Miss」というのが頭上に表示されそれが消えない状態になると、そのバトル終了時、高確率でフリーズする。その「Miss」表示になってるキャラをバトルメニューからキャラ入れ替えしようとしても同じ確率でフリーズ。つまり、「Miss」表示のキャラの存在がその舞台から捌けようとするタイミングで固まるっぽい。しばらくセーブできないダンジョンの奥とか、長いボスバトルの終盤とかでその状態になると、一気にやる気がなくなりますよ。直近にセーブしてても、固まってロードし直すとボーナスボードが空になる、ということもあって、セーブしてれば問題ないって話でもないんですよね。
あと、こちらはバグではなく仕様の話ですが、後半(DISK3以降ですね)で星間移動するとき、ディスク交換が必要というのはどうなのか。常時交換がいるってわけじゃないですが、EnII以降の星と、それ以前の星の移動ではDISK2と3の交換が必須。これはHDDインスコしても同様。ディスクが複数あっても、それは場所によって交換させるのではなくて、本編の進度によって固定させるべきだと思うんですが、難しいんですかね、これ。
総評
評価 C
ストーリーもキャラも音楽も良い。ゲーム自体の問題はほぼなく、作品としては(私の中では)面白い良ゲーの部類です。
しかし、最後のバグ(だよね?)はゲームを進める上であまりに致命的。それでも何か回避索があれば良いんだけど、特に公式にそういう報告もない。攻略サイトなんかでは、キャッシュクリアするとか解像度落とすとか、そういう防止策のような話は書かれてますが、どれも確実じゃないんですよね。
ディスクの読み取りの問題かとも思ったけど、HDDインスコした人も同様に固まってるようなので、DVDの読み取りエラーってわけでもなさそう。ディスク交換の頻度には目を瞑るにしても、フリーズはテスト段階で排除できなかったのか、これは甚だ疑問です。
てことで、ゲームの内容は悪くないのに、そのゲーム進行に明らさまに支障のある不具合が対策なしに放置されてるってことで、大減点。何というか、実にもったいない作品です。今後、DLCで対応するとか、そうでなくても、今後販売されるパッケージではこの不具合が修正されてれば良いんですけどね。