[TOH] テイルズオブハーツ レビュー(クリア編)

意外に長かったです。

テイルズ オブ ハーツ
対応機種:ニンテンドーDS
CERO年齢区分:B
ジャンル: RPG
発売日:2008年12月18日
希望小売価格:6,650円(税込)
プレイ人数 : 1人

テイルズチャンネル+
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ストーリー

評価 B

スピリア=心というのがテーマ。何かと心の繋がり「スピルリンク」というのが強調され、それが様々な問題解決の際の切り札になっている。それを感動しきりととるか、あり得ねぇーととるかはプレイヤー次第かもしれません。

前半は、ヒロインのスピリア回復の為の冒険で、その過程で仲間が増え、世界の謎や問題がわかってくる。後半は、前半で明らかになった世界の危機を救うべく集まった仲間たちで問題解決を図っていくと。おそらく、こういう流れ自体はテイルズ定番。エンディングもストレートだし、多少長いけど、あまりひねくれるところもなく深くもなく解りやすい内容だと思いました。

ただ、「おとぎ話」はちとわかりりやす過ぎ、というか、個人的には、何か“安い”という感想。もうちょっと文語的、隠語的でも良いかと思ったけど、ま、プレイヤーの対象年齢は小中高生程度でしょうから、このくらいで良いんですかね。

あと、どうしようもなくなったら、必殺最終兵器「スピリア」なあたりも、微妙に強引。これも、あまり理屈をこねてると長くなるからブルース・リーよろしく「考えるな。感じろ」でサクッと進めるのが良いんですかね。

グラフィック

評価 B

DS なので、グラフィックもそれなり。ムービーはDSの能力範囲でよく頑張ってます。てか、よくここまで詰め込んだという感じ。それ以外のグラフィック(絵的なシーン)はプレイヤーの想像力で楽しむのが良い。

これは私の個人的な考え方ですが、PS3や箱○などのRPGは「映画」で、DSのは「小説」なんですよね。強力なグラフィック能力を持つハードのRPGはプレイヤーの想像力はあまり必要とせず、もう見たまんまで楽しめる。あまりグラフィックに頼らないハードのRPGはそのシーンをプレイヤー(読者)が想像する、みたいな。その意味で、DSのRPGは、純粋に内容勝負かなと。

サウンド

評価 B

基本的に良曲ばかりです。バトルのテーマは話の進度でバリエーションがあって飽きなくて良い。雰囲気もある。

ただ、ダンジョンやフィールドのBGMが「またこの曲か」という感じが多かった気がする。DSの容量上の都合かもしれませんけどね。話自体が結構長いので、ダンジョンやフィールドごとにもう少し変化があっても良かったと思いました。

バトル

評価 B

今作は AR-LMBS(エアーリアルリニアモーションバトル)の発展版とのこと。2DテイルズのバトルではTOPのキャラ配置のマズさというトラウマがあったので心配したんですが、このTOHはうまく解決されてました。

これはTOPをやって個人的に不満だった点ですが、作戦でキャラの前後の配置を設定できるんだけど、画面左が後ろ、右が前ということで固定されていて、例えば敵が後ろ(画面左)に移動すると、前衛も当然後ろへ移動して殴らなきゃいかんのですが、そうすると後衛に設定したキャラはさらに画面左へ寄ろうとするアホさがあったのです。これが、TOHでは、前衛が左へ移動すると、後衛はちゃんと画面右へ移動してくれるようになってました。これだけでかなりの操作性向上ですよ。というか、前の仕様が不味かったということなんだけど、そこが学習されたこの仕様改善は素直に好感が持てます。

他、今作の特徴は「援技」ですかね。戦闘メンバ以外の控えのキャラにもコネクトして援護を出してもらえる。あと、あるイベントをこなすと、歴代テイルズキャラが援技に呼べるようになるあたりはファンサービスですか。ホントにちょっとだけ出る、みたいな感じだけど。

ただ、ぶっちゃけ、私は、この援技は、主に回復(レイズデッドやナースなど)しか使わなかった。援技に呼んだキャラは魔法詠唱などが中断されないので、回復役に使う分には結構重宝しましたね。反面、攻撃系の技を援護で使うことはあまりなかった。(どんな風に出るのかな?って興味で見る程度)技を連携させる「合技」というのもあるけど、それを使う機会は、結局最後まで無かったです。

キャラクター

評価 A

主人公シングは未成熟な少年で、それが話が進むにつれ徐々に成長していく、というパターン。性格は、劇中でよく「ぬるい」といわれるやつ。いわゆる“トドメを刺さない”系ですか。前作(TOV)の主人公ユーリが、自分の考え(正義)をしっかり持った大人で、かつ、容赦なく“トドメを刺す”系だったので、それと正反対の性格ですね。

RPGの主人公としては、今作の方が一般的かな。ヒロインのコハクは、清楚な感じではなく、どちらかというと男勝りな性格に仕立てられてる、とのことだけど、いきなり心が破壊されるので、あまりそれを感じられなかったかも。で、話はやっぱりこのシングとコハクの関係もそれなりに突っ込みつつ進んでいくと。

脇役レギュラーも、それぞれ良い味がありました。特にベリル。いちばん異端にみえて、何気に一番冷静で、一番プレイヤー視点のキャラなんですよね。それがあの性格で描写されてるというのが良い。

それぞれのキャラの素性について、もう少し突っ込んだクエストなりイベントがあると、話がもっと濃くなって良かったかなぁ。

ゲームシステム

評価 B

メニュー操作は問題なし。キャンプメニューはテイルズの良いところが集約されてきていて、シリーズを追うごとに使いやすくなってきてますね。育成ですが、今作の場合、通常のレベルもあるけど、ソーマという武具の成長(エボルブ)もキャラの強さに大きく影響してる。これはプレイヤーがその成長のさせ方を、都度、ある程度(3択で)選ぶことができるので、ワンパターンなレベル成長というのとはちょっと変わった育成になる。例えば、ステータス重視で成長させていくと、いくつか覚えない技とかもできたりする。技を全部覚えさせるような選択をすると、ステータスが弱めに止まったりする、と。育成にも、ちょっと考える要素があるという感じ。

サブイベント(クエスト)もそれなりにある。今作のクエストは、請負受付が一箇所集約ではなく、街や村のNPCから発生させるという従来型。それは良いんですが、加えて「スピルメイズ」という要素があるんですね。これは、人のスピリアの中が「スピルメイズ」というダンジョンになってて、何か悩み事や隠し事のある人のスピルメイズに侵入して、それをクリアすることでコトの解決を図るというもの。このスピルメイズが事あるたびに出てくるんですが、ちょっとワンパターン。迷路はやる度に道が変わるんだけど、基本的に同じ部品(ブロック)の組み合わせが変わるだけなので、新鮮さがない。正直、話の後半はスピルメイズが出てくると、若干ウンザリ感はありました。

総評

評価 B

これは、できればWiiとかPS2とか3とか箱○とか、そのへんの据え置き機で出して欲しかった、というのが、最後までやってみた感想ですかね。DSの作品にしては、かなり頑張ってると思います。ただ、DSであるが故に要素を削るしか、みたいな部分もかなりあったような気がする。挿入ムービーが入って良さげな箇所になかったりとか、スキットも全部声が入って無かったりとか、各キャラのエピソード描写にしても、据え置き機ならもう少し充実できたんじゃないかなぁ、とかね。

ストーリーもそこそこ良いので、個人的には、上記のあたりをもう少し肉付けして据え置き機でのリメイクを期待したい作品です。

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