白騎士物語 古の鼓動 レビュー

続いて、これ。

白騎士物語 – 古の鼓動 –
対応機種:PLAYSTATION 3
CERO年齢区分:B
ジャンル: RPG
発売日:2008年12月25日
希望小売価格:6,980円(税込)
プレイ人数 : 1人

白騎士物語 古の鼓動|株式会社レベルファイブ
プレイステーション3用ソフトウェア、白騎士物語 古の鼓動の紹介

これも発売日に買っておきながら、開封したのは、つい3日前です。で、クリアしました。はやい?いや、決して3日3晩ずっと引き篭もってこればっかりやってたわけじゃないですよ。

とりあえず、詳細は以下で。

ストーリー

評価 ???

はっきりいって、これは評価できません。というのも、終わりがすごく中途半端。てか、話まだ終わってない。これから盛り上がっていくぜぃ!ってところでエンディングロールですよ。これは続きがあるとしか思えない。(よくある「つづく」っていう終わり方。)

話の流れとしては、最初にお姫様がさらわれて、主人公たちはそれを救出にいくという、ありがちな展開。主人公レナードは、話の序盤で白騎士に変身できるようになるんだけど、この流れがちょっと無理やり感があったかな。いや、レナードは酒屋の息子という設定のはずなのに、いくらピンチだからといっても、目の前にある白い甲冑?を手にとって、いきなり「変身!」とかいって仮面ライダーみたいに変身しちゃうわけです。思わず声に出して「ええーッ」ていっちゃった。一応、契約だ何だということもあったんだけど、それにしても唐突感は否めないというか。彼ならそれが使えるかもしれない、というような前触れのようなものがあっても良かっただろうと。

というような展開で始まって、話がかなり無理やり解釈で進むなぁと感じるところがその後も何点かある。RPGの話なんてのはある程度は無理やりでないと前に進まないってのはあるのはわかるけど、それをモットモらしい理由なり人物の素性や背景なんかを持ち出して自然に見せるというのは、そのシナリオを書く人の技量だろうと思う。という観点で、どうもそれぞれの演出がストレート過ぎて不自然な感じになってるのが気になった。このへんはプレイヤーの感覚の問題だと思いますけどね。少なくとも私は違和感あった。

それをさておけば、話の内容はオーソドックス。平和な世界に悪者が現れ、主人公やその周囲がいろいろな理由をつけてそのイザコザに巻き込まれていく、というRPGの王道ではありそう。

グラフィック

評価 A

はい、キレイです。もうグラフィックについては、特に何もいわなければとてつもなく素晴らしいというパターンです。ただ、プレイ中のグラフィックをさらにキレイにした プリレンダの CG ムービーもあります。要所要所にちょっとだけど。こういう切り替えは、プレイ中のキャラに慣れてくるとムービーの綺麗なキャラに違和感を覚えることがあって、やり過ぎも良くないと個人的には思ってるんですが、この作品は、まぁ適度かなという感じですかね。

本当は、全部リアルタイムのグラフィックで通すというのが理想なんですけど、さすがにそこまではまだつらいかなと。あと、カメラ位置や回転方向はかなり自由になるので、コレに関しては文句なしです。

サウンド

評価 B

何が良いのかという話になると、コレだ!というのはないんですけど。印象深いのはないけど、フィールドやダンジョンやイベントなんかの雰囲気は上手くつくれてるので、およそ良曲なんじゃないでしょうか。

あえていえば、通常バトルの曲はちょっと飽きるか。ボス戦以外のバトルはずっと同じ曲なんですよね。フィールドやダンジョンごとにBGMは違うのは良いけど、バトルが始まると同じ曲になってしまうので、むしろ通常バトルの曲は必要ないかも。

あ、ちなみにこの作品はエンカウントしてバトルモードに変わるのではなく、フィールド上でそのままバトルというタイプ。というのもあって、バトルは頻繁に発生するので、折角のフィールドBGMがバトルBGMに潰されてるかなぁと感じました。

あと、これは私だけかどうかわかりませんが、音飛びすることがたまにありました。気になるほどのものではないけど、高音質であるはずのBDで音飛びしたということ自体が何ともちょっと残念な感じ。

バトル

評価 B

上にも書きましたが、エンカウント方式ではなく、フィールド上でモンスターと遭遇するとそのままシームレスにバトル移行するタイプ。FF12(FF11)やIUDと同じような感じですね。あと、アクションバトルではなくコマンド式で、コマンドはあらかじめセットアップ画面で設定しておいたものが使用できる。

ただ、これがですね、面倒さと簡単さの両極面がある。一旦設定してしまえば、バトル時はそのボタンをポチッと押すだけで魔法も必殺技も出てしまうので簡単操作で楽しめるわけだけど、その設定が面倒い。キャラごとにどの技や魔法を使うかを考えながら1枚に7つ、3枚のスロットに計21個のコマンドを
設定していかなきゃならない。しかも、最初に設定してしまえばおしまいかといえば、キャラは成長すると新しい技を覚えたりするので、その度にスロットを見直すことになる。

あと、コンボという要素。これも、一旦組んでしまえば、ボタン一発で連続技が繰り出せるので楽しいのは楽しいけど、これも設定がちょっと面倒。あくまで私は、ですけどね。いろんな必殺技を組み合わせてコンボがつくれるので、これを考えるのが楽しいという人もいると思います。コンボに名前つけられるし。

いまいちなのは、戦闘モードになると、スロットに設定した魔法や技しか使えないということ。例えば、毒にかかったとき、毒を直す魔法は覚えてるのにスロットに設定してない為に治療できない、ということも。これはあくまでバトル中(抜刀してるとき)の話で、魔法の場合は、納刀すればメニューから全部使えますけどね。ただ、必殺技はメニューでも使えません(スロット設定必須)。これはバトル中であっても、メニューが開けて良いんじゃないかと思いました。使用頻度は少ないにしても、緊急時とかね。逆に、メニューしかないというよりは大分マシですけど。(IUDはそのへんがダメだった)

キャラクター

評価 B

酒屋の息子の主人公のほかは、さらわれ役のお姫様、幼馴染の少女、謎のオッサン、その他、仲間や敵やモロモロ。それぞれパターン過ぎな登場人物が揃っております。主人公レナードは、実直な性格で可もなく不可もなく。一般的に嫌われることはないだろう無難な主人公です。彼が白騎士という白いエヴァみたいなのに変身します。姫のシズナは、カワイイ。うん。カワイイ。ちなみに、声は坂本真綾さん。FF13のライトニング役。坂本さんはもともと幅広いですね。幼馴染みのユウリは、カワイイんですが、髪の色がね。ケバイ。ファンタジーならアリっちゃアリですが。もっと他の色は無かったのかと。

あとは、どうでもいいや。

良くないですね。いや、みんなそれぞれいろんな背景や過去を持っていて、しっかり個性もあるので退屈しません。キャラデザインは良い方だと思います。まぁ、それはいい。問題がひとつ。いや、問題というか、このゲームの特徴?というべきか。実は、ストーリーに絡んでいく上記キャラの他に「アバター」というプレイヤーの分身キャラが作れる。えっ?プレイヤーは主人公なんじゃないの?と、思いますよね。このゲームは別にいる。プレイ開始時に、そのキャラの容姿をかなり細かくつくれる。おおう、最近のゲームは主人公の名前だけじゃなく、見た目まで好きにできるんじゃのう、なんて思いながら時間をかけて悩みに悩んでようやく自分キャラを完成し、いざゲーム開始してみると、実は主人公じゃなかった!というオチを初っ端に味わうことになります。

そのキャラはどういう位置かというと、レナードの酒屋の新人さん、という脇役ポジ。しかもその新人さんが、なぜかレナードたちの長く険しい旅に否応無く同行することになるという。どうなんすか、これ。これがすごく不自然。一応イベントシーンでも、そのアバターはいるんだけど、レナードたちは普通に会話があるのに、アバターは無言。それも不自然だし、旅に同行してるキャラはみんなそれぞれストーリーに何らかの絡みがあるんだけど、アバターはそんな深刻な話とは無関係な人間。それでも、何とか同情しないといけないので、無言ながら深刻な表情をつくってみせるという、すごく微妙な立ち位置にいる。

これ、アバター=主人公でよかったんじゃないの。まぁ、アバターは男にも女にも、男ならおにいさんにもオッサンにもできるから、声が想定できないというのはあるでしょうけど。それが難しいなら、最初からアバターなんて必要なかったんじゃないの。って思うんですけど、これはおそらくオンラインの方に対応するためのものなんでしょうね。後にも書くけど、この作品は、オンラインでクエストを協力して遊べるようになっていて、それはアバターキャラでのプレイになるんですよね。しかし、そうかといってメインストーリーに酒屋の新人さんとして参加させるってのも、ちと無理やりなんじゃないか、と。

てことで、ストーリー上でみたとき、アバターの役割がいろいろ微妙です。

ゲームシステム

評価 B

てことで、このゲームはオフラインでのストーリーパートと、オンラインでのライブパートがあります。ストーリーパートは通常のRPGですね。ライブパートは、ギルドを通して購入できるクエストを
オンライン上の他のプレイヤーと協力して楽しめるというもの。ちなみに、私はライブの方は全然やってません。といっても、オフラインでも、ギルドでクエストを受けることはできるので、クエスト自体はいくつかやってみました。ソロで。

クエストは、メインストーリーとは基本的に無関係ですね。クエストをコンプすると、クエストポイントを獲得して、それが一定以上たまるとギルドランク(GR)が上がっていくというシステムのようだけど、このポイントやGRはメインストーリーの進行には関係ない。なので、同じ世界で別のゲームをやってる感じです。もしかして、この作品はメインストーリーはそこそこに、このライブパート(オンライン)の方を充実させる目論見なのか?とも思ったんですが、どうもライブもそれほど盛り上がってる感じではなさげ。

ちなみに、ライブパートで遊ぶには「ジオネット」というやつに登録する必要があるけど、これは無料です。ライブ以外の基本システムですが、キャンプメニュー、フィールド操作、バトル操作など、それぞれは使いやすいIFだと思います。最近のゲームはそうなりつつあるのかわかりませんが、ちょっとビックリしたのは、メニューを開いていても時間の流れは止まらないということ。メニューでアイテムの受け渡しとか装備とかノンビリ操作してたら、わらわらとモンスターが襲ってきてタコにされてしまいました。これもオンラインとの仕様統一の為でしょうね。オフラインでは、STARTボタンでポーズがかかるので、時間を止めるのはこちらで。

あと、バトルはフィールド←→バトルがシームレスなFF12タイプ(この表現が一番分かりやすいかと)。これもオンラインと同じ仕様で対応する為ですかね。フィールド上の移動は、いったことがある場所であれば全体MAPから一発で飛べるようになってる。フィールド自体は非常に広いんだけど、一度でも行ったことさえあれば、その間の移動は全体MAPで省略できるのでGoodだと思います。(このへんIUDはダメだった。て、さっきも同じことを?)

ちょっと面倒だなと思ったのは、パーティメンバが勝手に入れ替わること。このゲームは、バトルに参加できるキャラは3人までで、それをキャンプメニューで選択して設定するわけですが、何かイベントが入ったり、セーブ、ロードしたりすると、なぜかバトルメンバが入れ替わってることがある。イベント上、強制的にメンバが変わるのはわかるけど、それがそのまま放置になって、というか、例えばイベント戦で2人で戦った後、イベント後、メンバが、その2人と3人目に適当に誰かが補充されてる状態になってるとか、驚きますよ?バトルメンバは、プレイヤーが選んでそのメンバにしてるわけだから、それは覚えてといて欲しいもんです。

総評

評価 C

ストーリーのところでも書いた通りですが、どうもこのゲームはまだ完結してないとしか思えません。続編ありきなのかと思って公式サイトなんかを見るも、どこにも続編の予定とか書いてないし、クリアしてるのに凄く中途半端な気分なんですよね。という意味で、これを続き物の作品としてみたとき、今作だけでは評価できないという意味での C です。

実際、プレイ時間も10時間もやってないと思う。本編自体はすぐクリアできました。(クエストは2、3個しかやってない状態)もし続き物だとした場合、その序盤の話としては、まあまあ面白いんじゃないかと思いますけど。そういう世界として続くんだってことにして、ライブパートでつないでいく考えなのか?

個人的には続編を望むんだけど、このゲームって売れ行きはどうなんだろう。それによって続きが出るかどうかも決まるんじゃないかとも思うけど、あんまり売れてないような気がする。特別に話題作ってわけでもないし、発売時(昨年末)にPS3自体がどれだけ出ていたかと考えると、ちょっと芳しくないんじゃないか。いろいろ微妙。

とにかく、話(エンディング)が続編ありきとしか思えないので、開発サイドはそのつもりだったけど、営業的にどうなの?ってことになってるのかも。最初から3部作なら3部作と謳って出せば、プレイヤーとしてスッキリできたんですけどね。レイトン先生みたいに。

そういえばこのゲーム、開発はレベル5だった。

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