[TOG] テイルズオブグレイセス レビュー

PS3が壊れてる間、こんなのもやってました。これが意外とアタリだった。

テイルズオブグレイセス
対応機種:Wii
CERO年齢区分:B
ジャンル: RPG
発売日:2009年12月10日
希望小売価格:7,329円(税込)
プレイ人数 : 1人

テイルズチャンネル+
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ストーリー

評価 A

テイルズは、無理やり展開があからさまなパターンというのが多いんですが、この作品は上手いと思った。というのが、幼少期から始まってまず事の起こりを体験させたあとで青年期へ移行するという手順を踏んでるんですよね。子供なら、ある程度無茶してもそう不自然じゃない。というところから始まり、ストーリー全体を見ても実は無理やりなんだけど、そう無理やりな展開に見えないその演出が上手いと感じました。

主人公が、序盤から中盤にかけて周囲から虐げられ、だんだん世界での自分の居場所がなくなってくる、ある意味絶望的な状況に追い込まれる展開なんだけど、これがラストの主人公の行動にもつながっていて、このへんの伏線の張り方なんかも絶妙。

あれ、ちょっとネタバレしてますか。

てことで、これ以上内容への言及は控えますが、ストーリーは、私がここ数作やった中では上出来の部類です。個人的に好みの展開だった、ということもあります。

ちなみに、この作品も、はっきりとした悪役というのがなく、どうしたらその事態を解決出来るかということを苦心していくという展開ですね。テイルズは大体そうですが。

グラフィック

評価 B

Wiiなので、例えば箱○やPS3のTOVなんかと比較しちゃうと確実に見劣りはします。が、これはこれで十分です。グラの質でいえば、TOSラタトスクと同程度ですかね。(内容は格段に今作の方が上ですが)フル3Dですが、3Dテイルズのカメラは固定視点ということで今作もそれは踏襲されてます。

となると、角度的に見づらい絵もいくつかあるけど、それは意図的な見せ方なので、それで仕様ってことですね。(あえて物陰に宝箱があったり人がいたりとかする)

サウンド

評価 B

恒例の桜庭ワールド。

街ごと、フィールドごと、ダンジョンごとにBGMがあててあり、かつ物語の進度(というか今作は地域ごとになるかな)にバトル音楽が変化していくというのも、テイルズ定番ですね。基本的に1曲あたりの1ループは短めではあるけど、それよりも変化があるということは、やってて飽きないという点で重要なポイントでしょう。1ループをそんなに長いこと聞いてることもないしね。良曲かどうかはおいといて、テイルズらしいな、という感じ。若干フィールドの曲が賑やか過ぎた気がするけど、概ねその地域ごとの雰囲気を出せていて良いんじゃないかと。

バトル

評価 A

いのまた画テイルズでは、初3Dになるんじゃないかな。3DのLMBSになるんだけど、今作のはTODを彷彿とさせますね。TODは2Dなんだけど、そのCC(チェインキャパ)のシステムがほぼそのまま今作に使われてました。このシステムはテイルズファンにも受けが良かったらしく、実際私もこの方式は好きですね。

どの技を繰り出すにもCCというポイントを消費するんだけど、CCはちょっと待てばすぐ回復する、或いは、技をつなげたり回避や防御したりすることでも回復するので、CCが枯渇して何もできない、ということはまずない。むしろ、MPやTPを気にしながら技や魔法を使わなければならない旧来RPG方式より大分思い切ったバトルができる。あと、今作独自のシステムとして、A技、B技というのがある。A技は、Aボタンで出す技。B技はBボタンで出す技。

わかりやすい!

いや、B技はバースト技ということなんだけど、A技のスタイルとはちょっと違った戦い方をするようになるという概念になってる。例えば、主人公アスベルなら、普段(A技)は納刀状態で殴り中心の技になるんだけど、B技になると、抜刀して相手を斬る攻撃になる。そんな感じのスタイルチェンジが各キャラにある感じ。

あと、エレスゲージというのがあって、敵を殴れば殴るほどこれが溜まっていき、いっぱいになるとCC無尽蔵でいろんな大技が出せるというフィーバーモード付き。(フィーバーとはいわない)他にもいくつか要素はあるけど、とにかくバトルが爽快です。

ただ、敵もそれなりに強いので、ある程度テクニカルに動く必要もありますけどね。それも含め、今作のバトルは「楽しい」と感じられました。

キャラクター

評価 A

キャラ設定も、今回それぞれが光ってますね。主人公アスベルは、最初はかなり強がるけど、だんだん自分がダメっぽい、ということに気づき始めてそこからがが彼の本領発揮かな。今作のキーワードは「守る」ということで最初から最後までこの言葉を連呼するんだけど、まぁ、それはご愛嬌で。

ヒロインはソフィかシェリアか。ソフィかな。ソフィは、アスベルがどんなに虐げられてもずっと彼についてくる可愛いやつで、最初から好感度高い。かつ、何気に強いのでバトルでもかなり助かる。

シェリアは、青年期で再会したばかりのあたりではかなりムカつく女になってるんだけど(それは私だけか)徐々に打ち解けてくると、そこそこ扱いやすくなる感じ。

ヒューバートも、再会したばかりのころは痛い感じだけど、こちらも時間がたつと徐々に面白いキャラになっていく。

リチャード陛下はこの物語の盛り上げ役なので、とりあえずいないと話が始まらないです。彼はバトルに出すとかなり強いんだけどね。技、術共に。一時参戦なのが惜しい。

パスカルは明け透けな性格のくせに、いやに賢い。それでいてたまに説教くさいところがイラっとくるけど、この性格はこれでアリか。

マリク教官は、いろんな意味で面白過ぎ。マジメなのか、ふざけてるのかわからないところも絶妙。

てことで、各キャラそれぞれに個性的でそれぞれに役割やストーリーも持っているので、無駄なキャラというのがいないのも良いです。バトルに出しても、役立たずというやつはいないので、ストーリー上も戦闘員としてもバランスが良いですね。

ゲームシステム

評価 B

メニューは、TOSラタトスクに近い感じかな。従来テイルズをやってる人ならそのままのイメージで使えるし、知らない人でも直感的にも使いやすいと思います。マップもメニューから開く以外に1ボタンワンタッチで開けるので、これも良ですね。成長システムは、基本は普通にレベルによる段階成長。これに加えて、今作では称号にそれぞれステータスがあってそれを育てていくことでも特殊な技能がついたりする。あと、武具を「デュアライズ」(改造)することでそのステータス強化をしたり特殊な効果をつけたりもできて、そのブーストによる支援効果も結構大きい。

あと、従来テイルズの食事の概念は今回は「エレスポット」というアイテムに集約されてますね。素材があれば、エレスポットにレシピを設定しておくことで指定条件で自動調理してくれたりする。エレスポットは調理以外にもいろんな効果があるので、これを使いこなすのも、攻略の上でのキーになってきますね。

コレクション要素も、アイテム、魔物の各種図鑑は今作でもしっかり実装されてるので、やり込み派には嬉しい。というか、今作はやり込み要素が多いですね。サブイベントもかなりある上に、収集要素も図鑑だけじゃなくカルタとか称号とかあるし、サブイベントじゃなくても宿屋に出されてる依頼というクエスト的な要素も無数にある。

あと、クリア後には隠しダンジョンもしっかり出てくる。さらに、「かめにんマーチャント」などというDSとデータをやりとりしながら遊ぶゲームまである!ぶっちゃけ、本体要素だけでやりきれない程あるのに、DSとの連携までいらんだろう、とも思うんですが。でも、やりだすと結構面白いんですが。いや、面白いというか、ムキになってやってしまう。恐るべしかめにんマーチャント。

総評

評価 A

良作です。近年私がやったRPGの中では、かなり高評価。ストーリーだけみれば、私の中でFF13よりも評価高いですね。特にエンディングが良いです。ああ、結局そういう悲劇か、と思わせて、いやそうはさせん!というあの終わり方。そしてみんながハッピーエンドというすごく優しい集結の仕方をするので、それだけでも好感。

落として上げる、という策略にまんまとはめられた感じだけど、それだけじゃなく、物語全体を見ても面白いのよね。幼少期から青年期に転じて、それぞれの7年間というのがしばらくプレイヤーの興味として続く。かつ、ソフィの謎もあり、各国の情勢もあり、各キャラの正体も、最初からは明かされず、しばらく正体不明。そこらへんを勘ぐって、ある意味予想させて、やっぱりそうかと、納得を誘うようなストーリーの流し方も上手い。ストーリー重視な私としては、このTOGは、ゲームとしてはS評価にしようと思ったくらい上出来です。

ただ、惜しむらくはバグですねぇ。

メインストーリーの進行自体に問題がないとはいえ、やり方を間違うとやり込み意欲が削がれるようなバグなので(これを回避するには、攻略サイトなどの情報がほぼ必須)ゲーム要素の一部を大きく損傷してる感があり大減点。とはいえ、ゲーム自体は良作なので、やって損はない作品。素直に面白かったです。

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