オリジナルはスーパーファミコンの作品ですが、今回はそのDS移植版。単純移植+αという感じかな。ほぼオリジナルと一緒なので再評価のレビューです。
ドラゴンクエストVI 幻の大地
対応機種:ニンテンドーDS
CERO年齢区分:A
ジャンル: RPG
発売日:2010年1月28日
希望小売価格:5,980円(税込)
プレイ人数 : 1人
ストーリー
評価 A
今やっても、つくづくよくできた話ですね。いきなりラスボスっぽい敵(実際は中ボス)とバトルで始まり、やられたと思ったら、夢オチ?と思わせるオープニング。話を進めると、よく似た別世界へ迷い込んで(?)しまい、プレイヤーの頭の上には「?」が浮かびっぱなしの展開。
ここまでで、プレイヤーの好奇心というか、謎解き欲を一気にさらってしまいますね。その後の展開は、世界を旅して人助けをしつつ謎を解きつつ流れ自体はよくある話になるんだけど、背景にある世界自体が最初からおかしいぞ、という前置きありで始まってるあたりがDQ6の独特の展開になってる感じ。
つまり、最初は平和だけど、だんだん暗雲立ち込めてくるというよくある流れではなく、初っ端から2つの並行世界があるということを認識させられた上で、その異常事態の理由を何としても知りたい、という方向へ好奇心をのせているあたりが流石というか、うまいなあという感じ。
世界構成自体は、初っ端の世界があり、第2世界があり、悪玉が支配する第3世界がある、という3つでの舞台構成は天空シリーズでほぼ同じですかね。
グラフィック
評価 C
DSだから、というか、SFCとほぼ一緒ですね。画面を回せるセミ3D(?)のようなことができるようになってるけど、ベースは変わってないですね。(回せるようになったのって、7からだったっけ。。)今基準でこのゲームのグラフィックを評価するのは酷なので、ここらへんはスルーな感じで。
サウンド
評価 A
個人的に、SFC時代のDQ(つまり 5、6)のBGMが、私の中で一番印象深く記憶に残ってます。1~4の曲も、いわゆる定番曲のような感じで印象深いですが、5は私の中で最高傑作で、6はその後に続いた期待作だったというのが、BGMまで印象深くしているのかなとも。私の年齢的に一番理解力や吸収力のある時期に出たのがSFCの作品だった、ということもあるかもしれませんが。いうまでもなく名曲揃いですね。
バトル
評価 B
DQのバトルといえばこれ。評価以前に、こうあるものだ、という感じ。なので、説明は不要でしょう。CPUは、昔よりは幾分賢くなってる感じ。魔法よりも、戦闘中に使えるアイテムを持たせていればそれらを装備してなくてもそちらを使ってくれる(ゲントの杖とか、いかづちの杖とか)というあたりはGJ。
ただ、「バッチリがんばれ」と「ガンガンいこうぜ」の差があまり感じられなかったんですが、どう違ったんだろう?バッチリでもガンガンでも、魔法使いにしてるキャラとかはイオナズン撃ちまくってくれる。学習を重ねると、また違った動きをしてくれるようになるのかな。
キャラクター
評価 B
主人公は、DQの伝統で没個性キャラ。ハッサンは大雑把。ミレーユは神秘的?バーバラは楽天的。チャモロは真面目。テリーはクール。定番の性格キャラが一通り揃ってる感じですかね。あと、今回は仲間スライムという要素が追加されていて、(代わりにモンスターを仲間にできなくなってますが)それらのスライムたちにも微妙に個性が振られてます。「ピキーッ」とか、「そりゃ、うりゃ」だけじゃなく
ちゃんと人間的な会話をしてくれます。
ただ、ストーリーのコアな場面になると無言になるので、せっかく(スーファミよりは)容量の大きいハードに移植したんだから、そこは何かその状況に応じた発言をして欲しかったかな。
いうまでもないですが、ハッサンは相変わらず良い漢でした。
ゲームシステム
評価 B
SFC版とほぼ変わらずですが。DS版で変わった点は、キャラの名前がちょっと変わってたりダンジョンがちょっと変わってたりといった細かいのは置いとくと
- 「おぼえる」、「おもいだす」がなくなった
- 仲間モンスターのシステムがなくなった
- 代わりに仲間スライムのシステムが追加された
- 隠しダンジョン内の「デスコッド」の仕様変更
- 「すれ違いの館」の追加
あたりが大きいかな。
1は、SFC版でもその存在意義がよくわからないシステムだったので、なくなるのも宜なる哉って感じですね。(これは、DQ6が出た当時、FF2の影響くさい気がしてましたが。)
2は、多分3の要素を追加するから、ということでなくしたのか。個人的には別枠で残しても良いと思ったんですがね。良いやり込み要素だし、削られてションボリなファンも少なくないはず。
で、その3ですが、これは戦って倒して、こちらをみつめている的なものじゃなく、街中にうろついてるスライムに話しかけてある条件を満たせば仲間になる、という手順になってる。この手順が、いわゆるサブクエストのようになってる感じ。
4は、クリア後に出てくる隠しダンジョンの中間地点にある街なんだけど、これはSFCではモンスターの街(固定)だったのが、今回DSでは、3つの選択肢があって、そのどれを選ぶかでDQ4のキャラが出てくる街、DQ5のキャラが出てくる街に変貌する。(あと1つは、SFC版と同様にモンスターの街)
それは良いんだけど、一度この選択をすると、他の街にいけなくなるというのは、ちょっと残念だったかも。せっかく3種類つくったんだから、それらを自由に行き来できるようになってれば良いのになぁ、と思うんですが。(まぁ、別のセーブデータをつくって行けば良いんですが。。)
5は、私はやってません。どうも世界各地に散らばる「ゆめこくはく」というものを集めてそれをすれ違い通信で他のプレイヤーと交換しあうものみたいですが、その人数を多く集めたらどうなるかという、特定の仲間スライムを仲間にできるようになる、ということらしい。でも、その仲間スライムは、一度本編をクリアすればすれ違いをしなくても仲間になるんですよね。なので、クリア前にそれらの仲間スライムを仲間にしたいぞ!という人には魅力的な要素かもしれませんが、クリアすれば仲間になるなら、私はそれで十分でして個人的にそれほど魅力を感じない要素でした。
DQ9のようにダンジョンや歴代ボスを追加していく、みたいな大掛かりなものじゃないので、これはおまけのオマケって感じですね。
総評
評価 B
古典的JRPGの王道ってやつですね。私はDQシリーズは全作プレイしてますが、6は個人的ランキングでは上位に君臨してます。
ちなみに、私のDQランキングはこんな感じ。
- DQ5
- DQ3
- DQ6
- DQ4
- DQ8
幾分、というか大分?想い出補正がかかってますが。完成度でいえばDQ9になるんですけどね。その時代ごとの名作というのは、やはりあるわけでして。
DQ6は、やっぱりストーリーですね。ストーリーというか、この場合シナリオ、かな。世界設定や話の運び方が、絶妙に好奇心を捉えて離さない。もし未プレイなら、ぜひ一度はプレイすべき作品。ただし、最近流行りのグラフィックゲー、キャラゲーではないので、子供時代にあまりファミコンなどに触れてこなかったある程度お年寄り(笑)にお薦めって感じかも。