まさか、2が出るとは思いませんでした。
逆転検事2
対応機種:ニンテンドーDS
CERO年齢区分:B
ジャンル: 推理アドベンチャー
発売日:2011年2月3日
希望小売価格:5,040円(税込)
プレイ人数 : 1人
ストーリー
評価 B
全編ひとつながりで5章立てですね。話は1章ごとに一応完結していて、その事件の裏に暗躍する共通する何者かいる、というのは逆裁シリーズで踏襲されている話のつくりですね。「裁判」ではなく、「検事」ですが。
今回ストーリーの中で私的に一番盛り上がったのは、ミクモが “あんなこと” になるあの章だったんですが、その結末が、なんというか、よくある終わらせ方?みたいな気がして、若干物足りなかったかな、みたいな。展開自体は面白いと思ったんですけどね。個人的には、あれを最終章に持ってきて感動的な終わらせ方ってのもあったんじゃないかなとも。素人的発想かもしれませんが。
ストーリーそのものは面白いと思いました。真犯人の意外性もそこそこありました。ただ何となく、ラスト、無理に盛り上げすぎなんではと、ちょっと思った。エンディングも無駄に長い気がしました。淡白にしろというわけじゃないけど、もうちょっとさらっとでも良いような。逆裁って、こんなんでしたっけね。・・・これは「検事」ですが。
グラフィック
評価 C
前作から GBA クオリティーですね。グラフィックにはこだわらず、内容で勝負といったところでしょうか。
今回は、前作でよくあった、画面で証拠品を探すような場面で「そんなの見えねーヨ!」というのが比較的少なかったので、そこは良し。ただ、相変わらず無駄に画面フラッシュさせてますね。これは前作からで、目が痛いからやめて欲しいんですが、このへん苦情が上がってこなかったんでしょうか。何かとピコーンピコーンと画面フラッシュしやがるので、ただでさえ小さい画面に目を凝して目が疲れるのに、これはあまりよろしくない演出だと思います。
サウンド
評価 B
これもGBAクオリティーですね。前作検事や逆裁シリーズの曲も、ほぼオリジナルのまま今回も結構使われてました。悪い言い方をすれば「使いまわし」ですが、これは従来の逆裁シリーズファンは納得でしょうし、制作費も節約できて一石二鳥と。とはいえ、肝心の追求時や新コンテンツの曲はちゃんと新曲があてられてたようなので、決して手抜きってわけでもないかな、と。
曲自体も、旧作のを含め雰囲気をよく表現してくれる良曲ばかりなので、まとまりは悪くないと思いました。「ロジック」時の曲は、私のお気に入りかも。
キャラクター
評価 B
これは、やっぱり逆裁シリーズファンへのサービス精神を感じました。逆裁シリーズで登場したキャラがかなり出てきます。もうこいつはレギュラーなんじゃ?ってキャラも。もうね、大沢木なつみがウザ面白過ぎです。ミクモとイトノコは、検事シリーズレギュラー。ミクモは逆裁でいうマヨイ的位置のキャラだしね。あと、メイやアカネも中盤くらいに出てきます(ちらッとだけど、あの2人も)
で、今作新登場のキャラは、ラスボスや中ボスはとりあえず伏せておくとして、全章通して登場するのは、御剣を知っているという(最初は謎の)弁護士と、敵方検事と、あと、敵方のなんと裁判官。御剣自身は検事だけど、事件現場で話が展開する中で、肩書きは結構どうでも良い感じになっていて、御剣はどちらかというと弁護士的立場でコトが運ぶので、敵役は自ずと警察や検事になるわけですね。
今回のストーリーは、検察がかなり悪役なので、その意味でも検事が敵なのは良いとして、「裁判官」ってのは、いくらなんでもどうなのかと。現場を法廷に見立てる演出なんですかね。どうでもいいですが、公平中立立場であるはずの裁判官が、検事側(御剣の敵側)に立ってるのは、最初からいきなり違和感ありまくりでした。
慣れれば「そういう演出か」と思えてきますが、もうちょっと何かなかったのかと。
ゲームシステム
評価 B
追求やロジックは前作検事と同じですね。システム自体も逆裁シリーズのそれが踏襲されてます。今回新しいシステムは「ロジックチェス」というやつ。何も喋ろうとしない相手を言葉攻めで口説いていく、というもので、これっていつもの追及とどう違うのか?と思いましたけど、言葉のみの追求って感じですかね。通常はゆさぶりや証拠品をつきつけることで相手を参らせるわけだけど、ロジックチェスのそれは、言葉を選ぶだけで相手が隠していることを引き出していくという、心理攻めというか、言葉攻めですかね。これは結構楽しいです。
何かこういうのやってると、普段の人との会話の方でも相手を追及するスキルがついてくるんじゃないか?とか思えてきたりね。まぁ、そんな場面、そうありませんが。
操作、UIに関しては、逆裁、検事シリーズずっとやってれば、もう取説読むまでもなく身についてますね。つまり、それが今回も引き継がれてるので、何も難しいことも、操作勝手が悪いと感じることもほとんどありませんでした。むしろ、今さら急にIF変えられる方が困りますね。このシリーズはずっとこれで良いでしょう。ちなみに、今回はマイク使うシーンもありました(1回だけ)
総評
評価 B
これは前作検事の総評にも書いたんですけど、御剣は(逆裁シリーズでは)本来悪役なんですよね。悪役だった、と過去形か。で、その御剣が、クールを装いながらも感情的に行動するそれって、演出としてナシだろうというのが、私の本来の感想なんですよね。
ただ、とはいえこの作品を否定しているわけじゃなく、確かに御剣をこういう描き方で演出するというのも見せ方、売り方としてはナシではないんだろうと。あくまで私の個人的な思いとしては、たまに優しさを見せるけど、普段はやっぱり冷徹な検事で、あってほしかったと。
その人が普段冷徹であればあるほど、ほんのたまーにみせる優しい一面が引き立つってこと、よくありませんかね。ツンデレじゃありませんが。(あの場合デレが基礎にあるし)しかし、このまま検事シリーズがつづくとなると、ますますナルホドくんの影が薄くなっていくよなぁ。