[二ノ国] 二ノ国 レビュー

最近、レベルファイブが飛ばしてますね。

二ノ国 漆黒の魔導士
対応機種:ニンテンドーDS
CERO年齢区分:A
ジャンル: ファンタジーRPG
発売日:2010年12月9日
希望小売価格:6,800円(税込)
プレイ人数 : 1人

二ノ国 シリーズ
レベルファイブが贈るRPG『二ノ国』シリーズ公式サイト

ストーリー

評価 B

作画はジブリですが、ストーリーや構成自体は基本的にレベル5の開発陣がやってるんですかね。ざっくりした話としては、主人公オリバーの住む世界(一ノ国)とは別世界である「二ノ国」というのがあって、そっちの出来事が一ノ国にも関係している、という背景があると。オリバーの母親がキーキャラになっていて、彼女と二ノ国の関係が、序盤オリバーが冒険を進めていく大きな動機付けになっているのだけど、話が進んでいくと、世界を救うことが目的になっていく。

RPGではよくある展開ですね。二ノ国では、魔道士ジャボーによって心を抜かれた「ヌケガラビト」というのが現れるようになって、その人の心を取り戻すサブクエストが道中に入りつつ、そういう活躍をしていくことで、二ノ国全体を救っているという流れをつくっている感じ。

無茶な展開もあまりないし、スムーズに話が進むのでストーリーとしては良い仕上がりじゃないかと思いました。反面、まとまりすぎていて、大体展開が予想通りというか、ちょっとありがち、という印象も否定できず。

グラフィック

評価 A

DSにしては頑張ってるんじゃないでしょうか。さすがにジブリが作画を担当してるだけあって、場面ごとの見せ方や演出も細かく作りこまれてますね。引きの絵はキャラが小さいんだけど、すごくヌルヌル動く。ムービーも、DSというハードなのによく描かれてました。

画質自体はレイトンシリーズなどと同じですね。個人的には、やっぱりこれはDSじゃなく、据置機でつくるべき作品だと思いましたけどね。

サウンド

評価 B

作曲を久石讓氏が手がけているので、この作品もよりジブリワールドっぽく感じましたね。曲自体は良曲揃い。ただ、RPGのBGMとしてどうかというと?

フィールドやイベントのBGMは良いんですが、バトルがちょっと単調な感じしましたね。個人的には、ですが。これはこれで二ノ国という世界観でのバトルとして、ちょっと“ほんわか”した感じで良いのかもしれませんが。

あと、それぞれの曲の印象が薄い感じは若干ありましたね。今一番しっかり思い出せるのが、一番イマイチと感じていたバトル曲だけたったり。ということは、実はあれが一番良曲なのか(?)

キャラクター

評価 A

主人公オリバー、そして妖精シズクがメインとサブかな。あとバトルメンバとして入ってくるのは、マルとジャイロ。ストーリー的な彼らの立ち位置は、オリバーが勇者、シズクがそのアドバイザー的な位置で、マルとジャイロが成り行きで勇者ご一行に付き添うみたいな流れ。

オリバーは、RPGの主人公としては珍しく魔法使い。シズクは、最初はバトルに参加するけど、途中から外れます。マルは歌唄いみたいな感じで、歌でバトルサポートするんだけど、それよりもモンスターを仲間にするという仕事が大きい。

本編ではイマージェンといってるんだけど、モンスターにお気に入りの歌を唄ってやることでそいつを仲間にすることができます。DQM?ポケモン?みたいな。で、肉弾攻撃系のメンバは主にそのモンスター(イマージェン)が請け負う感じ(私はそうだった)。

ジャイロは、完全に空気。役割としては、モンスターからアイテムを盗んだりするのでシーフのような感じだと思うけど、今回、装備品とかのアイテムはあまり重要じゃない感じで、故にジャイロもあまり使う機会がなかったです。

ちなみに、私のパーティ構成は、オリバー、マル、イマージェン、という構成が中心でしたね。イマージェンを捕まえる必要がなくなったら、マルを他の強いイマージェンにしてました。あと、NPCでストーリー上重要な役割を担うのが二ノ国にある3国の王様的なキャラですかね。それぞれのクセが、何となくジブリっぽさを感じました。

ちなみに、この作品はボイス入りですが、パーティメンバや各国王などの主要キャラには今どきのタレントが起用されていて、その意味でも話題性はありましたかね。

バトル

評価 B

普通のコマンド式のバトルですね。パーティ全員(3人)の行動をそれぞれ選択して、相手とのターン制での殴り合い。この作品の独特の要素としては、パーティの立ち位置を下画面の3×3マス上で配置できて、それによっていろいろ効果が得られる、というもの。相手の攻撃が、そのマス目の特定のところを狙ったり、あと範囲やライン上に攻撃が及ぶということがあって、それを上手く避ければ効率よくバトルが展開できる。それ以外にも、配置によって支援効果があったりして、このへん上手く考えながらやれば、バトルがより楽しめる、のだと思います。

ただ、私はほぼ固定配置でガチバトルでした。それでもいけることはいけますネ。さすがにボス戦では配置を考えながらやりましたけど、平時はあまり配置を動かすことはなかったです。

あと、マルがイマージェンを仲間にできるので、仲間にしたいやつは適度に痛めつけて歌で誘う、という戦い方もメインになってきます。バトル中にパーティの入れ替えも自由にできるし、このバトルシステムは特に破綻もなく無難に良かったと思います。

ゲームシステム

評価 B

ゲームの流れや、バトル、ストーリー展開は一般的なRPGのそれで、特に問題に感じることはありません。本編に加えて、イマージェン討伐やヌケガラビトを救うサブクエストも豊富に設定されてるし、夢の世界の謎解きとか、世界中に散っている宝探しとか、すれ違い通信によるタマゴ交換とか、遊び要素が多いので、やることがなくなるということはまずないです。

ゲームとしては、面白い。

ただ1つ、問題は「マジックマスター」。この作品では、魔法を「ルーン」という図形をタッチパネルに
描くことで発動するようになってるんですが、そのルーンが「マジックマスター」に書かれている。それ以外にも、二ノ国独自の文字と日本語との対応表がその「マジックマスター」にかかれていて、それなしでは解けない謎も結構あったり、謎自体が「マジックマスター」に書かれていたりする。

で、その「マジックマスター」というのは、リアルな“本”なんですよね。結構分厚い。

つまり、この作品を遊ぶには、その「マジックマスター」も必須になるってこと。これが据置機のゲームならそれもありなんですけど、DSという携帯機のゲームでこの仕様はどうなのかと。これを外で遊ぶには、「マジックマスター」も一緒に持って出かけないとダメってことですからね。これはマジコン対策の一環ともいわれてるみたいだけど、それならなおさら据置機で良かったんじゃないか。

本作のメニューやバトル操作は、十字キーやA、Bボタンでもいけるし、タッチパネルでもいけるので、自由度は高めだと思います。あと、それぞれの操作はマニュアルなしでも直感的にスムーズに操作できる点も評価できる。それだけに、マジックマスター必須という仕様が惜しい。

総評

評価 B

RPGとしては一般的なものかな、というのが率直な感想。ゲーム全体としてもよくまとまってるし、サブクエストなど単発の遊び要素も多いので、その意味ではDS向きのゲームだと思います。

ただ、やっぱり「マジックマスター」の存在。いちいちゲームを離れて本を読んで、またゲームに戻る、という往復作業が、若干疲れますね。そして、ゲーム要素がDS向きにできてるのに、それを進めるには別冊本が必要というのは、かなり痛い。

こんなの、電車の中でできません(少なくとも私は)。それがなければ、普通に良作だったと思うんですけどね。ちなみに、このゲームはクリア後の世界というのがあります。FFCCのEoTみたいなやつですね。ラスボスを倒した後もまだ話は続いていて、やり残したサブクエストなどは引き続き遊べます。

あと、クリア後限定の隠しダンジョンもあったりするみたい。(私はそれはやってない)

二ノ国は、シリーズ化されるみたいですね。既に今年中に次回作が出る予定みたいです。しかも、PS3向け!あれ、Wiiじゃないのか?と思ったり。

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