巷で囁かれているネトゲに関する賛否両論。とりあえず(あくまで)私の思いを、以下にダラダラと書いてみるのです。いうまでもないですが、私はゲームクリエイターでもなければその業界人でもないので、そのへんにいる一ゲームファン(プレイヤー)目線での意見ですので、よろしくお願いします。
MMORPGを社会人がやりこむのは無理なのか?
無理ではないけど、MMOはとにかく時間がかかる。
基本的に時間をかければかけるだけ有利になるのがMMO。オフラインゲームでも、時間のある人がない人よりもより早く先に進むわけだけど、オフラインで閉じているその世界のプレイヤーはあくまで自分ひとりであり、その限りにおいて自分のペースでプレイすれば良いということになる。
一方でオンラインの場合は、その人が世界にいない間も、ゲーム世界の時間は刻々と流れてるわけで、その間にもゲームができる人というのは当然早く成長していき、あまりゲームができない人より優位に立てる。つまり、時間がないプレイヤーは、他のプレイヤーに遅れる、置いていかれるという状況が発生する。
ただ、やりこむのが可能か不可能かでいえば、不可能ではない。亀の速度でも時間をかければ、いずれ先行者のいた位置まで成長することはできる。それとは別に、先に成長したプレイヤーと同じコンテンツ(最新コンテンツ、エンドコンテンツ)を一緒にプレイできるかどうかは、難しいといわざるを得ない。
ユーザの要望を素直に反映するのは良いことか?
不具合や操作性の悪さ、処理の重さなど、いわゆるインフラ的なものは改善すべきだけど、もともとのゲーム性というか、その世界独自の要素というか、あらかじめ設計されたゲームの根幹は変える必要はないと思う。
端的にいえば、あのMMOでは空が飛べるのに、このMMOでは飛べないから、飛べるようにして欲しい、みたいな要望は、基本的に却下だと思う。プレイヤーの気持ちもわからなくもないけど、それをやることで、もともとの設計が破綻してしまいかねないことになったりもするので、何でもかんでも受け入れるのではなく、ものによって取捨選択が肝要ということ。そういう制限や要素がそのゲームの特徴であり、そのゲームそのものでもあるなのだから、それが嫌なプレイヤーは他所へいけば良いだけのこと。
マニュアル通りにしか処理しないGMは誠意がないのか?
GMのマニュアルに従った機械的な態度に腹を立てて、食ってかかるプレイヤーがいるらしい。
しかし、GMはマニュアルに忠実で良いと思う。GMはプレイヤーではなく、あくまで問題対応を行うシステムの一部として動けば良くて、機械で対応できないものを、オペレーターの操作で事務的に対処するくらいのモチベーションがベストでしょうと。とにかくプレイヤーに対して感情的にならないことが重要。
オフラインRPGはオンラインRPGに劣るのか?
ひとりよがりなオフラインRPGより、不特定多数の中で成長できるMMORPGの方が優れている、などとわからないことをいう人もいるらしい。
当然、オンライン、オフラインの違いに優劣はない。洗濯機と冷蔵庫ではどちらが優れているか?というのは明らかに愚問。それぞれの役割があるのであり、ゲームに関しても、それぞれのゲーム性があるのである。
エンカウント方式のバトルはMMORPGに向かないのか?
FF11が発表される直前あたりに、バトル方法がエンカウントしてターン制だという噂があって、多くのMMORPGerがそれに異論を唱えていた。私は当時「RPGってそういうもんでしょ?」と思ってたけど、FF11を遊び始めると、ナルホドそういうことかと思ったり。
でも、改めて考えてみると、エンカウント方式も、アリかナシかでいえば、アリなんじゃないか(ターン制はナシとは思うけど)。ただ、そうなっちゃうと基本的にMGS(ステルスで移動)なんてできなくなるね。
RMTは悪いことか?
RMT自体は悪いことではない。それが公認されているMMOでやる分には問題ない。それもまたひとつのビジネスなんでしょう。
ただ、運営会社が禁止している場合に行われるRMTが悪行だということは、いうまでもない。要は、MMOのルールに従っているか否かということ。ただ、リアルマネーが介在すると、大抵ゲーム世界の経済がおかしくなる(インフレする)ので、多くのMMOはそれを禁止しているんですけどね。
MMORPGはグラフィックを追求すべきか?
個人的には追求して欲しい。ただし、ゲーム進行を妨げるほど重くならない程度で。3Dを採用したMMORPGを遊ぶためには軒並み高スペックのハードが要求されてくるが、それはそれで仕方が無い。
私はどちらかというと、PCよりもその時代で最新のゲーム機に対応すべきだと思っている。FF11も、そろそろPS3に正式対応してくんないかな。
期間定額制とアイテム課金制どちらが良いのか?
一概にはいえないと思ってる。試用期間があるのであれば、期間定額制の方が良いと、個人的には思う。やっぱりどんなゲームか実際にやってみないとわからないし、わからないものにいきなりお金を払うのは納得いかないでしょう。ある程度タダで遊んでみて、よければお金を払うというシステムがあれば、月額とか年額とか払う形の方が良いんじゃないか。
ハマるほどゲームをやり出してしまうと、アイテム課金制の場合どんどん出費していくでしょうし、そうなるとリアルの生活にも支障をきたすようになるでしょう。そもそも(リアルの)お金を払っただけゲームが有利になるというのは、私はあまり好きではないです。
不正ツールは完全に防ぐことはできないのか?
それがソフトウェアである以上は、完全に防ぐことはまず不可能でしょうね。コードは解読されるものだし、何らかの外部インタフェースがある以上、そこを通してゲームシステムにアクセスすることができる。
そういうところで重要になってくるのが、運営側の対応ということになってくるんだろうと思う。不正ツールによる悪事が発覚したら、なるべく迅速に潰すようにする。潰したらまた新手のツールが出たりして、いわゆるイタチごっこになるのは避けられないのだけど、野放しにするとゲーム内が無法地帯と化すので、そのイタチごっこを粘り強く続けるしかないと思う。
どのMMORPGが良いのか、または悪いのか?
ゲーム性の比較ということなら、これは愚問。それぞれに良いところもあれば悪いところもある。老舗MMORPGを長くやってる人が最近出たMMORPGを侮蔑したり、その逆パターンもよくあるようだけど、自分が良いと思ってやっているゲームが良いのであって、わざわざ他所サマにアレコレいうことではない。
ただ、サービスの良し悪しというのはある。頻繁にサーバダウンしてたり、バグがいつまでも放置だったり、不正行為や不正ツールの取り締まりが異常に遅かったり、バージョンアップの頻度が少なすぎたり、そういうあたりがよく取り沙汰されるようなゲームは、あまり良いとはいえない。
つまるところ、その運営にどれだけのコストがかけられているかだと思う。運営に適切な予算が組まれていれば、サーバの維持、バグ修正、追加コンテンツの開発なども円滑に進めやすいだろうし、お金がなければ、当然そのあたりのメンテも疎かになり、ゲームも健全な状態を保てないでしょう。
どういうMMOが成功できるのか?
ここは、どちらかというと開発、運営寄りな話として。
MMORPGというのは、いうまでもなく運営型のサービス。ゲームソフトを一発売っておしまいではなく、むしろ売った後のサービスの内容が重要になってくる。ただ、サービスというのはビジネス的に成功していないのにお金をかけ続けることもできない。そもそもゲームの内容が世の中にウケてないものは、早々に予算が切られてサービス終了になりやすい。
ということで、まずゲームの内容がしっかり面白いことが大事。いやいや、その面白いかどうかってどういうことだよ、って話ですよね。今のご時世のプレイヤーがどういうものを好むかとか、まだ世の中にはない新機軸をつくりたいが果たしてウケるだろうか、などなど、考え出すとキリがないし、その正解もないなど、いろいろ難しいのだけど、ここはまず最低でも、開発側が面白いと思ってつくれているかどうか、でしょうか。
何となく流行ってそうだから、他社もやってるからうちも、みたいなモチベーションで立ち上がった企画は、つくる側も面白くない気がするし、あまり長続きしないような気がする。開発者自身が、これ絶対面白い!これを世の中の人にプレイして欲しい!くらいの気持ちになれているかが、まずスタート地点かな。
そして、それをリリースして幸運にもヒットしたなら、そこへの投資を惜しまないこと。せっかく良いスタートダッシュができても、そこにかけるお金や人をケチったりすると、そこからどんどん綻びていく気がする。例えば、接続数がどんどん増えてるのに、サーバを安っぽいので間に合わせようとするとすぐパンクするだろうし、ユーザからあがってくるフィードバックを対応しきれないとかいって蔑ろにし続けると、それは運営への不信感にもつながっていく。つまるところ、これらはかけるコスト次第だろうと。
いろいろ書きましたが、MMOもゲームであり、やってて楽しければそれで良いし、楽しくなけりゃやめればいい。プレイヤーからしたら結局それだけなんですけどね。ただ、MMOとオフラインゲームの大きな違いは、MMOはひとりでやるゲームではない、ということで、そこにいる他プレイヤーとの関わり方という大きな要素があるのだけど、それはまた別の機会に書こうかなと。