[ゼルダの伝説シリーズ] ゼルダの伝説 スカイウォードソード レビュー

ゼルダ新作、クリアしましたよ。

ゼルダの伝説 スカイウォードソード
対応機種:Wii
CERO年齢区分:A
ジャンル: アクションアドベンチャー
発売日:2011年11月23日
希望小売価格:6,800円(税込)(通常版)
プレイ人数 : 1人

ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD | Nintendo Switch | 任天堂
ゼルダの伝説、はじまりの物語。2021年7月16日(金)発売、Nintendo Switch『ゼルダの伝説 スカイウォードソード HD』の公式サイトです。

ということで、いつものごとくあくまで私の主観による S、A、B、C の4段階評価レビューです。なるべくネタバレなしのつもりですが、感想を書くのに必要な部分にはちょっと触れるかも。

ストーリー

評価 A

今回は、舞台がいきなり空から始まります。空のことを「スカイロフト」と呼んで、これを地上世界(大地)と区別してるようです。で、なぜ空にいるのかというあたりが今回のストーリーの根幹に関わってきてる感じ。あと、今回のゼルダはお姫様ではなく、騎士学校の校長の娘。ただ、やはり特別な力は持っていて、それゆえ悪いやつにさらわれていく…というか、厳密にいうとさらわれそうになりながら姿を消してるという感じか。リンクはそれを追いかけて旅を始めると。

今回のリンクのお供はファイというマスターソードの精霊?みたいな存在。何かと確率で情報提示してくれるあたりは、精霊というよりアンドロイドか何かのような印象ですが(やればわかる)。最初は冷たくやや不気味さすらあるファイなんですが、その機械と話をしているような無機質な会話も、物語が進むにつれだんだん愛おしい感じになってくるというか、ファイの方にも感情が宿ってくるような演出になっており、終盤は最早ゼルダよりむしろファイがヒロインなのでは、とすら思うようになってました(私だけ?)

いや、もちろんゼルダも魅力的で大好きですよ。ただゼルダは、やっぱり大きな力を持っているがゆえに悪者に付き纏われる悲劇のヒロインという立ち位置なので、序盤こそ幼馴染みとしてリンクとイチャイチャするわけですが、中盤以降はずっとその影を追っていくような、まぁゼルダシリーズ定番のストーリー展開になるわけです。ここは、ある意味期待を裏切らない展開なわけで。

今回の悪役ですが、まだ例の豚野郎が現れる前の時代ということで、その起源となる存在が最後に待ち受けてます。あまり書くとネタバレになるので控えるけど、つまり全てのゼルダシリーズの悲劇がそこから始まったということになるんですね。その意味でも、今作の物語の真相に迫りたい、知りたいというモチベーションは高かったです。

グラフィック

評価 B

グラフィック自体はトワプリのからほぼ進化なしですね。Wiiなのでこれ以上頑張りようがないってことで。まぁ、ゼルダはグラで勝負するゲームじゃないですから、個人的には十分です。

あと、リンクの唇ね。別にね、唇の描画にここまで力いれることなかったよなんていうつもりは全然ないです。いえホント。何でタラコにしちゃったの?とか突っ込んだりしませんから。いくらグラフィックを責められても、そこは力入れるところじゃなかった…なんていったりしません。

そして、これはネットを探してもそういう報告はなかったので、おそらく私の環境固有の問題なんでしょうけど、イベントシーンやロフトバードの乗り降りの瞬間、映像信号を切り替えてるのか何なのかよくわからないけど、画面が暗転してしばらく何も映らなくなるんですよね。

うちのテレビはD端子入力の信号(480pとか1080iとか)を自動判定して切り替えてるんだけど、その処理がイケてなくて、画面が真っ黒になるとそこで信号の再判定が入るっぽい。それは他のゲームやビデオでも同じ現象なんだけど、このゼルダSSのイベント切り替えのときのそれは、暗転時間が長いためかなかなか映像が復旧しない。

こんなこと同じWiiの他のゲームやっててもなかったんですが。結局、D端子ではなくS端子で映像をとるようにして、切り替えが起こらないようにして回避したけど、これは相性ってことで諦めるしかないのか。

サウンド

評価 A

今回も基本的に良曲揃い。特にメインテーマである「女神の詩」は、そのアレンジも含めて最高ですね。あとロフトバードで空を飛んでるときの曲も好き。

ただ、今までのハイラル平原みたいな、あの感じの曲が今回なかったなぁ、と思ったり。舞台としてはスカイロフトの空と、地上は、森と砂漠と火山ということで、実は今作に平原がない。一番よく移動するのが空なので、おそらく今回のメインフィールドの曲としては空なんでしょうね。ただ、あの、何というか、ゼルダ独特の平原を颯爽と走って盛り上がってくるあの感じのBGMは今回も欲しかったなぁ……という個人的感想。

バトル

評価 B

バトル方式は従来とほぼ同じ。剣を振る、盾で防ぐ。前転斬り、回転斬り、とどめもあり。ただ、従来と違うのは、Wiiリモコンのモーションセンサー(傾きセンサー)を使って斬る角度や向きの判定が入ってることですね。

そう、ゼルダSSは、ふつうのWiiリモコンでは遊べません。Wiiリモコンプラスかモーションプラスの拡張が必要。これは罠だった…。

ということで、このプラス機能をフル活用してる感じです。ある程度強い敵になってくると攻撃をガードしてくるんだけど、そのガードする方向が上下左右、そして中央のどこかに隙がある形になっていて、そっちの向きから斬りつければダメージが入るようになってる。

これは多くのボスキャラでもそうでした。闇雲に剣を振れば良いというバトルでもなくなったと。Z注目はあるので、しっかり相手を捉えながら、どっちから斬れば、或いは突けば良いかを考えながら、頭を使って賢く戦いましょうってこと。あと、盾と横ステップ、バックステップを有効に使えるとバトルをかなり有利に運べますね。盾はべらぼうに固いやつを入手したら、ちょっとイージーモードにできるかもしれない。

ということで、バトル難易度は従来よりも高めかなという印象。ふつうと違う操作が要求される上に、ちょっと考えて戦う必要があります。

キャラクター

評価 A

先にも書いた通り、今回のゼルダはお姫様ではありません。最初は騎士学校の校長の娘みたいな感じだけど、実はただ者ではないのだという恒例の展開になっていくと。リンクも、いつも通り選ばれし者という役回りで、最初は平凡な青年という感じだけど、話が進んでいくにつれて役割が定まっていき英雄への道を進んでいくと。このあたりは、いわばゼルダメソッドというか、いつものやつですかね。

あとはその他大勢ですが、個人的にジャイアンっぽい赤髪の彼の性格が変わっていく様は、わりとイイ話じゃないかと思ったり。悪役は、今回最初からリンクの行く先々でちょろちょろしてるヘビみたいなやつがいるんだけど、それはいつものアイツじゃないんすね。私は別にこれはこれで良いけどね。役回りはほとんど同じだし。

今回、主役じゃないNPCたちも結構みんなそれぞれ個性があって面白かったと思います。というか、テキトーな村人A、Bみたいなキャラは今回ひとりもいなかったかも。みんな固有キャラでしたね。

ゲームシステム

評価 B

これはゼルダシステム崩さず。ダンジョンのたびに新アイテムを入手して、そのアイテムを使ってダンジョン攻略をしていくと。後半のダンジョンほど使えるアイテムも多くなるけど、その分謎解きの難易度も上がっていく感じですね。

今回のストーリーのステージとしては、主に地上の3地方が中心になるんだけど、それぞれのダンジョンは1回攻略すれば終わりではなく、新たなアイテムを入手してから再攻略という新たな段階が入ってます。トワプリのトワイライトのような世界もあって、SSでは「サイレン」という試練の世界で、しずくを集めて回るというあのステージもあります。これは物語の後半ですね。

全体的に攻略することが多い感じで、プレイ時間でみても従来のゼルダより多分長いと思う。あと、ストーリーに関係ないおまけミニゲームもいくつか。そのうち2つはハートのかけらが景品になっているので、ミニゲームだからとスルーもできないから油断ならない。

そして、今回のシステムの最大の特徴といっても良いのがモーションプラス。剣を振る角度をうまくとらないといけない、ということと、その影響かわりと大きく剣を振らないと、その角度で振ったと判定されないような気がする。なので、結構ぶんぶんと大振りする感じに。もうこれひとりでやってる姿が寂しくて。ホントに……。

とはいえ、気にしたら負けです。私なんか、リモコンで横に置いてたコーヒーカップをぶっ飛ばして大惨事になっちゃいましたが、もうそこで何かが吹っ切れました。もういい。これでいいんだ。

しかし、この仕様を入れたのは大分冒険だったんじゃないかな。完全に従来のコントローラー操作を捨ててきてますからね。私はアリだと思いましたが、この操作が無理な人も相当数いたはず。何がともあれ、この作品を遊ぶ前には、周囲に飲み物や壊れ物などないか十分にチェックすることをお勧めします。

総評

評価 A

かなり良作だと思います。さすがのゼルダ品質というか、期待通りの内容でした。モーションプラスが必要なので、ハード的な拡張が必要だけど、ゲームとしてそれだけの面白さが追加されてたと思いますね。

上に書いてなかったことで、今回リンクはダッシュすると息切れして、走り続けるとゼーハーゼーハーいって動けなくなるんだけど、これもうまく謎解きに組み込まれていて、いろいろ余すところなしだなぁと感心することが多い。逆にいうと、そのシステムになっているということは、これが何かカギになっているのかも?と考えることが重要で、いろいろ細かいことを見逃さないように考えて行かないと、結構いろんな謎解きで手詰まりになったりする。という意味では難易度も全体にわりと高い感じです。

ボス戦なんかのアクションも結構激しいし、頭も使うし体も使うしで、ゲーム性が非常に高い印象。普段ゲームなんかやらない、という人にはキツ目か。裏を返せば、いわゆるゲーマーにはやりごたえ十分な内容といえそう。

昨今の流行にのって何かといえば美麗な映像という方に走らず、こういうゲーム性というところで勝負するというのは任天堂らしい。まぁ、映像に走れないハードだったという物理的制約もあるでしょうけど。これで映像もPS3とか並だったら、とか考えちゃうのは野暮かな。

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